SEO・AIO
BtoBサイト改善の
費用と90日ロードマップ
BtoBサイト改善の費用は、記事を何本書くかではなく、どこまで調べ、どこまで実装し、どの権限を預かり、どこまで検証するかで決まります。この記事では支援の種類の違いと、90日で進める場合の工程・成果物・完了条件を整理します。
公開日:2026年8月2日 著者:飯田 友広(Tomohiro Iida)
BtoBサイト改善の費用は、記事を何本書くかではなく、どこまで調べ、どこまで実装し、どの権限を預かり、どこまで検証するかで決まります。この記事では支援の種類の違いと、90日で進める場合の工程・成果物・完了条件を整理します。
同じ「サイト改善」という言葉でも、公開情報を見て課題を並べるところまでか、実データまで踏み込んで実装上の原因を特定するところまでか、変更内容と完了条件を決めて実装まで進めるところまでかで、必要な作業量も期間も変わります。金額だけを横に並べても比較になりません。
以下では、支援の種類を4つに分けたうえで、90日を3つの期間に分けた工程と、各工程で何が入力になり、何が成果物として残り、顧客側で何をするのかを整理します。
この記事が扱う範囲と扱わない範囲
この記事が扱うのは、BtoBサイト改善を外部へ依頼するときの費用構造と、90日で進める場合の工程です。具体的には、支援の種類ごとの違い、期間ごとの成果物と完了条件、既存の制作会社がいる場合の分担、見積もりを比較するときの確認項目を扱います。
扱わないのは次の2点です。
- AIO施策単体の費用内訳。AIO施策の工程別の内訳と見積もりの読み方はAIO対策の費用と見積もりの確認点が担当します。この記事はサイト改善全体の工程と期間を扱い、AIO施策はその一部として位置づけます。
- 案件固有の見積もり金額。対象ページ数、実装体制、権限の状況で変わるため、この記事では金額そのものではなく金額を決める要素を扱います。
依頼先の選び方そのものはSEO・Web制作会社の選び方と発注前に確認する観点、改善仕様書の書き方はWeb改善仕様書の書き方で扱います。
結論:費用は記事本数ではなく4つの範囲で決まる
BtoBサイト改善の費用は、成果物の点数や記事本数ではなく、次の4つの範囲で決まります。
- 調査範囲:公開情報だけを見るのか、GA4やSearch Consoleの実データ、CMSテンプレート、ソースコードまで見るのか。
- 実装範囲:変更内容を決めるところまでか、本番実装まで担うのか、実装は顧客側や既存の制作会社が担うのか。
- 権限の範囲:どのツールやリポジトリへ、どの権限で、どの期間アクセスするのか。権限が無い箇所は推測で断定せず、確認できた事実と確度を分けて扱います。
- 検証範囲:公開直後の技術確認だけか、基準期間と比較した数値の確認まで含むのか。
この4つが決まらないまま金額だけを比べると、範囲が狭い見積もりが安く見えます。逆に、範囲が広い見積もりでも、実装と検証まで含んでいれば社内の作業量は減ります。比較の前に、この4つを同じ条件に揃えてください。
支援の種類を4つに分けて理解する
サイト改善の支援は、公開情報診断、データ連携診断、改善仕様、実装推進の4つに分けると、見積もりに含まれる作業を判断しやすくなります。順番に積み上がる関係で、後段だけを単独で依頼することはできません。
公開情報診断
公開されているサイトだけを対象にした診断です。権限の受け渡しが不要なため、着手が早く、範囲も限定されます。
確認するのは、HTTPステータスとリダイレクト、初期HTML、レンダリング後のDOM、title・description・canonical、robots.txtとsitemap、見出しと本文構造、内部リンク、JSON-LD構造化データ、ページ間での会社情報や料金や実績の整合、CTA・フォーム導線、公開状態で確認できる計測挙動です。
出てくるのは、優先課題と根拠URL、確認できた事実、改善の方向性です。訪問者数や検索クエリなど非公開の計測データは対象外のため、この段階で「測定」と「改善体制」を断定はしません。
データ連携診断
読み取り権限を受け取り、実データと実装まで踏み込む診断です。公開情報診断で見えた症状に対して、コードや設定のどこが原因かを特定します。
対象は、Search ConsoleとGA4の実データ、CMSテンプレートとコンテンツモデル、routingとrendering方式、Server ComponentとClient Componentの分離、metadata生成処理、JSON-LDの生成元、共通コンポーネント、リダイレクトとヘッダー設定、GTM・GA4のイベント設定です。
出てくるのは、確認事実、コードや設定上の根因、確度、影響範囲です。接続は必要性と契約範囲を確認したうえで、最小権限・期間限定で行います。
改善仕様
診断結果を、見積もり・実装・検証に使える単位へ変換する工程です。「タイトルを改善する」「構造化データを追加する」という指示では実装を始められないため、対象と完了条件まで確定させます。
1件の改善仕様には、対象URL、対象コンポーネントまたは設定箇所、変更内容、変更理由、完了条件、検証方法、推奨担当、想定負荷、成功指標が含まれます。社内担当者や制作会社は、原因調査をやり直さずに見積もりと実装へ進めます。
実装推進
決めた改善を、実装完了と公開確認まで進める工程です。改善仕様が揃っていても、担当者・期限・承認が決まらないまま止まることがあります。
含まれるのは、実行計画の確定、社内の意思決定支援、既存制作会社との連携、担当者・確認者・期限・遅延理由の進行管理、公開後のHTML・metadata・構造化データ・GA4イベントの確認です。
| 支援の種類 | 主に見るもの | 出てくるもの | 必要な権限 |
|---|---|---|---|
| 公開情報診断 | 公開HTML、metadata、robots.txtとsitemap、内部リンク、構造化データ、CTA・フォーム導線 | 優先課題、根拠URL、確認できた事実 | 不要(公開情報のみ) |
| データ連携診断 | Search ConsoleとGA4の実データ、CMSテンプレート、rendering方式、metadata生成処理、計測設定 | 確認事実、コード・設定上の根因、確度、影響範囲 | GA4・Search Consoleの読み取り。必要に応じてCMS・リポジトリ |
| 改善仕様 | 確認事実、根因、事業上の優先順位 | 対象URL、変更内容、変更理由、完了条件、検証方法、推奨担当、成功指標 | 事業情報の提供 |
| 実装推進 | 改善仕様、顧客の優先順位、実装体制 | 担当・期限の設定、制作会社への共有、公開後の反映確認と計測確認 | 社内承認と公開判断 |
90日をどう分けるか
初期改善を期限付きで進める場合、当社では90日を0〜30日、31〜60日、61〜90日の3期間に分けて設計します。これは当社の運用目安であり、普遍的な正解ではありません。対象ページ数や実装体制によって配分は変わります。
0〜30日:現状確認と優先順位の確定
最初の30日は、症状の把握と優先順位の合意に充てます。獲得したい顧客と増やしたい行動を先に決め、そこから逆算して対象ページを絞ります。
- 事業情報の確認(対象顧客、提供価値、重点商品、制約)
- 公開情報の診断と、実データ・実装の確認
- 基準期間の数値の取得
- 症状、影響URL、事業上の影響の整理
- 優先課題の確定
この期間の終わりに、何を直すかと、何を基準に効果を見るかが揃っていない場合、後半の工程が滑ります。
31〜60日:改善仕様の確定と実装着手
次の30日は、改善仕様の確定と実装です。ここで対象URL・変更内容・完了条件・検証方法が確定していないと、実装側で解釈が分かれます。
- 改善仕様の作成と顧客承認
- 担当者、確認者、期限の設定
- 既存制作会社への共有と質問・仕様差分の整理
- 実装、レビュー、公開判断
計測が未整備の場合は、この期間にGA4のイベント設計と実装も並行します。基準値が取れていない状態では、後半の検証ができません。
61〜90日:公開確認と測定、運用への引き継ぎ
最後の30日は、公開された変更が意図どおりに反映されているかの確認と、数値の比較、次サイクルの計画です。
- 本番反映、表示崩れ、HTMLとmetadata、構造化データ、リダイレクトとcanonicalの確認
- GA4イベントの発火確認
- 基準期間との比較(当社では28日間の比較を目安にします)
- 残った課題の棚卸しと、次に着手する順序の決定
- 運用の引き継ぎ
公開直後に確認できる項目と、期間を置いてはじめて測れる項目は分けて扱います。順位や掲載状況は外部要因の影響も受けるため、この比較は変化の観測であり、成果を保証するものではありません。
各工程の入力・成果物・顧客側の作業・完了条件
3つの期間について、入力、成果物、顧客側の作業、完了条件を表にまとめます。完了条件が書かれていない工程は、終わったかどうかを判断できません。
| 期間 | 入力 | 主な成果物 | 顧客側の作業 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|
| 0〜30日 | 公開サイト、事業情報、GA4・Search Consoleの読み取り権限 | 症状一覧、影響URL、基準期間の数値、優先課題 | 対象顧客と商談ゴールの確認、権限の付与、優先順位の承認 | 直す対象と、効果を見る指標・基準期間が合意されている |
| 31〜60日 | 確定した優先課題、実装体制の情報 | 改善仕様(対象URL、変更内容、変更理由、完了条件、検証方法、推奨担当) | 社内承認、実装担当の割り当て、制作会社への発注判断 | 実装対象・担当者・期限が決まり、実装が着手されている |
| 61〜90日 | 公開された変更、基準期間のデータ | 公開後確認の記録、計測イベントの動作確認結果、次サイクルの改善計画 | 本番反映、公開日の共有、次の優先順位の判断 | 反映と計測が確認でき、次に着手する課題が決まっている |
既存の制作会社がいる場合の分担
すでに制作会社と契約している場合、契約を切り替える必要はありません。診断と改善仕様の作成、実装、公開後の確認は、それぞれ別の役割として分担できます。
| 役割 | 担当範囲 |
|---|---|
| 診断・仕様側 | 分析、根拠整理、改善仕様、優先順位、実装管理、測定 |
| 顧客 | 事業情報の確認、優先順位と公開判断、社内承認 |
| 社内担当者・既存制作会社 | 見積もり、設計判断、本番実装、デプロイ |
| 支援会社(当社の場合) | プランに応じた人間レビュー、意思決定支援、制作会社連携、公開確認、限定範囲の実装支援 |
分担で問題になりやすいのは、指示の粒度です。対象URL、変更内容、変更理由、完了条件、検証方法が揃っていれば、実装側は原因調査からやり直さずに見積もりと実装へ進めます。逆に、粒度が粗い指示は、実装側での再調査と往復を生みます。
分担を決めるときは、次の4点を着手前に文書化してください。
- 誰が本番実装するか
- 誰が公開判断をするか
- 公開後の確認を誰が行うか
- 仕様差分が出たときに誰が判断するか
費用が増える条件・減らせる条件
費用は範囲で決まるため、範囲を動かす条件を先に把握すると、見積もりの読み方が変わります。以下は当社の運用目安です。
費用が増えやすい条件
- 対象ドメインやサブドメインが複数ある
- 対象ページ数が多い、または日本語と英語など複数言語がある
- CMSやテンプレートが複数世代混在し、変更の影響範囲が読みにくい
- 本番実装まで外部に任せる範囲が広い
- 計測が未整備で、基準値の取得と計測設計から始める必要がある
- デザイン制作、新規ページ制作、CMS移行など、診断・仕様化とは別領域の作業が含まれる
費用を抑えやすい条件
- 対象を1ドメイン・主要ページに絞る
- 本番実装を社内担当者または既存の制作会社が担う
- GA4とSearch Consoleが整備済みで、読み取り権限をすぐ渡せる
- 事業情報(対象顧客、提供価値、重点商品、制約)が文書として揃っている
- 承認者と公開判断のルートが決まっている
- 標準範囲の上限と、超えた場合の扱いを着手前に文書で合意している
「安く見える見積もり」は、範囲が狭いだけの場合があります。範囲を狭めること自体は有効な選択ですが、狭めた結果として社内で誰が何をするのかを、契約前に確認してください。
見積もりを比較するときの確認項目
複数社の見積もりを比較するときは、金額の前に条件を揃えます。次の項目が明記されているかを確認してください。
| 確認項目 | 見積書・提案書で確認する内容 |
|---|---|
| 対象範囲 | 対象ドメイン、対象ページ数、対象言語 |
| 調査範囲 | 公開情報だけか、GA4・Search Console・CMS・リポジトリまで含むか |
| 成果物の粒度 | 課題一覧までか、対象URL・変更内容・完了条件・検証方法まで揃うか |
| 実装の担当 | 誰が本番実装するか、実装支援がどこまで含まれるか |
| 公開後の検証 | 公開直後の技術確認と、期間を置いた数値比較の両方が含まれるか |
| 期間と頻度 | 契約期間、会議の頻度と時間、対応サイクル |
| 上限と超過時の扱い | 標準範囲の上限と、超えた場合に変更見積が出る手順 |
| 顧客側の作業 | 提供する権限・情報・承認と、そのタイミング |
| 契約・支払条件 | 申込方法、支払方法、支払時期、更新と終了の方法 |
| 保証しない範囲 | 検索順位、AI回答への掲載、問い合わせ数について何を約束していないか |
最後の項目は特に重要です。検索順位やAI回答への掲載は外部要因の影響を受けるため、これらを保証する記述がある場合は、その根拠を確認してください。
当社のプランと、この工程の対応関係
参考として、当社の提供形態を挙げます。料金は2026年8月2日時点のもので、最新の内容と適用条件はSIGNALの料金ページが正本です。
| プラン | 料金 | 主な対象範囲 | 本番実装の担当 |
|---|---|---|---|
| SIGNAL 定期診断 | 月額70,000円(税別)/77,000円(税込) | 継続診断と改善仕様 | 顧客または既存の制作会社 |
| SIGNAL 改善推進 | 月額300,000円(税別)・最低3か月 | 意思決定・連携・進行の支援 | 顧客または既存の制作会社 |
| SIGNAL 初期改善90日 | 900,000円(税別)から・90日固定 | 90日の初期改善 | 標準範囲内の限定支援 |
SIGNAL 初期改善90日は、この記事で扱った90日の工程に対応します。全営業関連ページを診断したうえで、人による標準対応は主要10ページまで・合計30時間までの双方を上限とし、いずれかへ先に到達した時点で標準対応完了です。標準範囲を超える対応は、着手前に対象範囲と費用の変更見積を提示します。
SIGNAL 定期診断とSIGNAL 改善推進は、別途の導入設定費なしで開始します。SIGNAL 初期改善90日は90日固定・自動更新なしで、契約総額を原則3回に分割します。終了後に上位プランへ自動移行することはありません。
新規Webデザイン、サイト全面リニューアル、CMS移行、大規模コーディング、バックエンド開発、会員機能、EC機能、外部システム連携、写真・動画・イラスト制作、大量記事制作、法律・医療等の専門監修は対象外です。
検索順位、AI回答への掲載、問い合わせ数、売上等を保証するサービスではありません。
まとめ
BtoBサイト改善の費用は、次の4点で決まります。
- どこまで調べるか(公開情報のみか、実データと実装まで踏み込むか)
- どこまで実装するか(仕様までか、本番実装まで担うのか)
- どの権限を、どの期間預かるか
- どこまで検証するか(公開直後の技術確認か、基準期間との数値比較まで含むか)
90日で進める場合は、0〜30日で優先順位を確定し、31〜60日で改善仕様の確定と実装、61〜90日で公開確認と測定、次サイクルの計画へつなげます。各期間に完了条件を置くと、進んでいるかどうかを判断できます。
見積もりを比較するときは、金額の前に対象範囲、調査範囲、成果物の粒度、実装の担当、公開後の検証、顧客側の作業、保証しない範囲を揃えてください。条件が揃えば、金額差の理由が読めるようになります。
対象範囲と体制に合う進め方を決めたい場合は、SIGNALの料金ページで提供内容を確認したうえで、プランの相談をご利用ください。公開サイトの状態を先に把握したい場合は、無料診断から始められます。
この記事の著者

飯田 友広
代表取締役
Netsujo株式会社 代表取締役。京都発のWeb3・AI実装スタートアップを2023年6月に創業。Webサイトを営業基盤として捉え、経営・営業・検索・生成AI・コンバージョン・計測を横断して課題と改善優先順位を整理する「Netsujo SIGNAL」を設計・運営。京都ビッグデータ活用プラットフォーム参画(小規模企業会員・ベンチャー)、同プラットフォーム発のワーキンググループ「Chain Up KYOTO」参画(2026-03-10)、IVS2026サイドイベント「なぜ京都でWeb3.0ビジネスなのか」を京都府庁旧議場で開催(2026-07-02・Netsujoとして主催、企画・登壇・運営/京都府デジタル政策推進課は共催)。京都美術工芸大学での講義・龍谷大学でのセミナー実績、ITコミュニティ「みやこでIT」(connpassメンバー614名・イベント167件・2019年2月から運営)運営。NPO法人NEMTUS理事、BAR KRYPTO運営。ソーシャル企業認証「S認証」認証企業(2026年2月認証・2026年4月公表)。技術領域はWeb3/ブロックチェーン/DID/NFT/生成AI/コミュニティ運営。
プロフィールを見るこの記事が向いている方
BtoB企業の経営者・マーケティング責任者
Webサイト改善の予算と期間を検討している方
既存の制作会社と分担して改善を進めたい方