SEO・AIO|自社ケーススタディ
後発企業が、検索とAI時代の相談型クエリで候補になるまで
— 「Web3 コンサルティング」の順位を盛らず、自然文の相談意図とページ設計を検証する
Netsujoは、Web3領域の情報発信とサービスページを整備してきました。自社のGoogle Search Console(GSC)では、見出し語の「Web3 コンサルティング」と、「Web3 新規事業をどこへ相談するか」という相談型クエリとで、表示されるページの役割に違いが出ています。
これは、自社ドメイン1件の観測です。検索順位は地域・端末・時期・検索結果の構成で変わり、AI回答への掲載や引用を網羅的に証明するデータでもありません。本記事は、何が起きたかを再現可能な計測単位で分け、後発企業が既存企業と競う際に使える判断材料を整理するための記録です。検索順位やAI掲載を保証するものではありません。
この記事の結論
- 後発企業が先行企業に勝つ入口は、見出し語を同じように繰り返すことではなく、顧客が判断したい自然文の相談に、担当範囲・費用条件・進め方まで答えることです。
- 「Web3 コンサルティング」のような広い情報探索は解説ガイドが担い、相談・依頼に近い意図はサービスページが担うよう、ページの役割を分けています。
- AI検索で選ばれることを単一の施策で説明することはできません。取得できる本文、一次情報、会社・著者の確認可能性、矛盾しない事実、次の行動までの導線を一緒に整える必要があります。
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まず、何を「選ばれた」と呼べるのかを分ける
この分析の一次データは、sc-domain:netsujo.jp のGSCスナップショットです。90日比較は2026-05-02〜2026-07-30、28日比較は2026-07-03〜2026-07-30で、2026-08-02に生成されています。ここで確認できるのは検索結果での表示回数と平均掲載順位であり、個々のAIサービスがどの回答でNetsujoを採用したかではありません。
したがって、「AIに選ばれた」という言葉は、外部AIの単発回答や順位の印象で断定しません。本記事では、検索で観測できる相談型クエリ、公開ページの内容、外部から確認できる事実、取得可能な実装という四つの材料を分けて扱います。
— 02
見出し語と相談型クエリで、表示されるページが違う
同じ「Web3 コンサルティング」でも、解説を担うガイドと、相談を受けるサービスページでは表示のされ方が違いました。表の平均掲載順位は、検索結果に出たときの位置の平均であり、固定順位ではありません。
| 検索語・ページの役割 | URL | 90日 | 28日 |
|---|---|---|---|
Web3 コンサルティング 解説ガイド | /blog/web3-consulting-guide | 90日: 96回 / 平均6.29位 | 28日: 32回 / 平均5.47位 |
Web3 コンサルティング サービスページ | /services/web3-consulting | 90日: 39回 / 平均27.41位 | 28日: 16回 / 平均27.69位 |
Web3 新規事業 相談 サービスページ | /services/web3-consulting | 90日: 19回 / 平均5.05位 | 28日: 10回 / 平均2.9位 |
新規事業としてWeb3の事業をやりたいんだけど、どこに相談するのが良いかな? サービスページ | /services/web3-consulting | 90日: 32回 / 平均6.81位 | 28日: 27回 / 平均6.89位 |
広い見出し語では/blog/web3-consulting-guideが、相談に近い2つのクエリでは/services/web3-consultingが観測されています。ここから「どのページでも1位になった」とは言えません。むしろ、検索者が知識を探しているのか、依頼先を探しているのかで、必要なページが違うことを示すデータです。
— 03
今回確認できた5つの条件
1. 「何を知りたいか」ではなく「どこへ相談するか」に答えている
後発企業が先行するドメインの年齢や記事本数だけを追っても、同じ土俵で消耗します。Netsujoのサービスページは、NFT、DID/VC、RWAなどの対応領域だけでなく、構想、PoC、開発、運用のどこから相談できるか、費用が何で変わるか、Web3を使わない判断をする条件までを先に示しています。相談型クエリでは、技術用語の説明だけでなく、意思決定に必要な条件が求められやすいためです。
2. ガイドとサービスページの役割を意図で分けている
ガイドは「Web3コンサルティングとは何か」「依頼前に何を見るか」という情報探索を受け持ち、サービスページは「自社の場合に相談できるか」「何を決めるか」を受け持ちます。広い語でガイドが表示される一方、サービスページが同じ語で弱いことは、直ちに失敗ではありません。読者の段階に合う次のページへ内部リンクで進めることが、ページ同士を同じ検索意図で競合させない出発点です。
3. 会社名だけで終わらない、確認可能な一次情報がある
AIや検索エンジンが何を重視するかを外部から単一要因に還元することはできません。ただし、運営会社、著者、対応範囲、更新日、外部から確かめられる活動が矛盾なくつながっていることは、読者自身の比較にも役立ちます。たとえば京都府のイベント案内は、2026年7月2日のイベントについてNetsujo株式会社を主催、飯田友広を登壇者として掲載しています。これは順位要因の証明ではなく、会社と活動を第三者が確認できる一次情報の一例です。
出典:京都府「IVS side event」案内(2026-08-13確認)
4. 人にもクローラにも読める形で、答えを前に置いている
「AI対策のための特別なファイル」を置けば選ばれる、という話ではありません。通常の検索と同様に、本文・見出し・内部リンク・正規URL・robots・構造化データが、表示内容と矛盾なく取得できる状態を保つことが先です。Googleも、AI機能に出るための特別な技術要件はなく、通常のSEOの基礎と、利用者に役立つ独自の内容を重視するよう案内しています。
5. 単発の記事ではなく、判断に必要な周辺情報へつないでいる
Web3の導入判断には、費用、PoCの出口条件、規制、開発範囲、実装後の運用など複数の論点があります。個別の記事が存在しても、サービスページ・解説ガイド・関連ガイドの間を移動できなければ、読者は自社に当てはめられません。後発企業ほど、記事数を増やす前に「各ページがどの判断を受け持ち、どこへ送るか」を決める必要があります。
— 04
勝因ではなかったもの:llms.txtや構造化データだけでは勝てない
Netsujo.jpにはllms.txtや構造化データがありますが、それを「AIに選ばれるための必須条件」や「掲載順位を上げる施策」として扱っていません。構造化データは表示内容と一致する範囲で意味を補助するものであり、検索表示を保証しません。Googleはllms.txtをAI機能の掲載要件として求めていません。
先に必要なのは、顧客の質問に答える本文、根拠、会社の事実、サービスの境界、次の行動です。技術設定はそれらの情報を正しく取得・理解しやすくする土台であって、情報不足を置き換える近道ではありません。
— 05
残る課題:ガイドとサービスが同じ語で競合し得る
今回の数値は、広い見出し語でガイドが先に表示され、サービスページは相談型クエリで表示される傾向を示しています。これは意図分離の仮説を支える一方で、同じ語で複数URLが表示されるため、役割が十分に伝わっていない可能性も残します。複数URLが出るだけでカニバリゼーションと断定はせず、タイトル・H1・本文・内部リンク・クリック先を継続して見ます。
対応はリダイレクトではありません。ガイドは比較前の理解を深め、サービスページは相談条件と進め方を明確にする。両者の導線と計測を保ったうえで、問い合わせに近いクエリでどのページが必要かを観測します。
— 06
既存企業と競うために、後発企業が先にやること
- 1. 相談ログを検索意図に分解する。 顧客の質問を「困りごと」「解決方法」「サービスの選択肢」「提供事業者」「比較基準」「依頼・導入」に分けます。社名入りの質問だけで測ると、非指名で見つかる状態は分かりません。
- 2. 1ページ1つの判断を受け持たせる。 解説、比較、費用、サービス、事例をすべて同じページに詰め込まず、読者が今決めたいことと次のページを明確にします。
- 3. 主張と根拠を同じ画面で確認できるようにする。 対応範囲、価格条件、実績、著者、更新日、外部から確認できる活動を、確認日と出典を添えて整えます。
- 4. 取得・理解・行動を別々に点検する。 本文が読めるか、意図に答えているか、次の行動に進めるかは別の問題です。記事を増やす前に、止まっている段階を確認します。
- 5. 同じ条件で再観測する。 GSCでは期間・クエリ・URLを固定し、AI回答を観測するならサービス、質問、地域、日付、実行条件を記録します。印象ではなく比較できる記録を残します。
この記事の著者

飯田 友広
代表取締役
Netsujo株式会社 代表取締役。京都発のWeb3・AI実装スタートアップを2023年6月に創業。Webサイトを営業基盤として捉え、経営・営業・検索・生成AI・コンバージョン・計測を横断して課題と改善優先順位を整理する「Netsujo SIGNAL」を設計・運営。京都ビッグデータ活用プラットフォーム参画(小規模企業会員・ベンチャー)、同プラットフォーム発のワーキンググループ「Chain Up KYOTO」参画(2026-03-10)、IVS2026サイドイベント「なぜ京都でWeb3.0ビジネスなのか」を京都府庁旧議場で開催(2026-07-02・Netsujoとして主催、企画・登壇・運営/京都府デジタル政策推進課は共催)。京都美術工芸大学での講義・龍谷大学でのセミナー実績、ITコミュニティ「みやこでIT」(connpassメンバー614名・イベント167件・2019年2月から運営)運営。NPO法人NEMTUS理事、BAR KRYPTO運営。ソーシャル企業認証「S認証」認証企業(2026年2月認証・2026年4月公表)。技術領域はWeb3/ブロックチェーン/DID/NFT/生成AI/コミュニティ運営。
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自社が次に競うべき相談型クエリを整理する
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