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内製ツールSEO分析2026.06.20約10分で読める

サイト分析を内製化した

GA4とSearch Consoleを1画面に統合した社内ダッシュボード

Netsujo株式会社は、自社サイトnetsujo.jpを改善するために、Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Console(GSC)を1画面に束ねたSEO分析ダッシュボードを内製しました。本記事では、このダッシュボードで何が見えるのか、どのデータを引用しているのか、そしてサイト改善にどう役立つのかを、実装に即して公開します。

アクセス解析のGA4と検索パフォーマンスのGSCは、本来別々の管理画面です。両者を行き来しながら毎週確認するのは手間がかかり、見落としも生まれます。そこで両方のデータを取得し、同じ画面に並べたうえで、改善候補を自動で抽出する仕組みを開発者向けに整えました。なお、ダッシュボード本体は社内運用ツールのためベーシック認証で保護しており、一般公開していません。本記事はその設計と価値を解説するものです。

この記事の要点

  • 分析ダッシュボードとは、GA4(アクセス後の行動)とGoogle Search Console(検索での見え方)を1画面に統合した、Netsujo株式会社の社内向けSEO分析ツールです。
  • 6つのビュー(概況・流入チャネル・ページ別・検索クエリ・診断・データについて)で、サイト全体から個別ページまでを横断して確認できます。
  • 中核は「診断」で、その目的はコンバージョン率(CVR)の向上です。掲載順位ごとのCTR期待値と実測値の差分から、クリックを取りこぼしているページをシステムが自動抽出し、改善候補を推定獲得クリック数の多い順に並べます。
  • 画面に表示する実測値の出典は、GA4(プロパティID 382871067)とGoogle Search Console(https://netsujo.jp/)の公式データのみ。診断の機会損失・推定獲得クリックは、これに独自ロジックを適用した推計値です。
  • ダッシュボード本体はベーシック認証で保護した非公開ツールです。本記事は実データを公開せず、設計と価値を解説します。

— 01

なぜ内製したのか

サイト改善の基本データは、アクセス側のGA4と検索側のGSCに分かれています。GA4は「サイトに来た人が何をしたか」を、GSCは「検索でどう見つかったか」を教えてくれますが、この2つは別々の管理画面で、指標の粒度も用語も異なります。

毎週の確認でこの2画面を行き来していると、確認漏れが生まれます。たとえば「検索順位は高いのにクリックされていないページ」は、GSC単体を眺めているだけでは気づきにくく、気づいても改善の優先順位をつけにくい。属人的な勘に頼った確認になりがちでした。

そこで、GA4とGSCのデータを取得して同じ画面に統合し、さらに「どこから手をつけるべきか」を機械的に判定するダッシュボードを内製しました。狙いは、確認作業を仕組み化し、改善の優先順位を数値で示すことです。

GA4とGSCを別々に確認

1画面に統合

勘で優先順位を判断

推定獲得クリックで自動ソート

確認漏れが発生

改善候補を自動抽出

— 02

何が見えるのか(6つのビュー)

ダッシュボードは6つのビューで構成しています。全体像から個別ページ、そして改善候補の抽出まで、確認の流れに沿って並べました。

01

概況

サイト全体の健康状態を一目で把握

  • 主要KPI(セッション・コンバージョン・CVR)を大きく表示
  • 補助KPI(ユーザー数・新規ユーザー・ページビュー・エンゲージ率・平均滞在時間)
  • 日別セッション推移の折れ線グラフと、流入チャネル内訳の横棒グラフ
02

流入チャネル

どの経路から成果が生まれているか

  • チャネル別(自然検索・直接・参照・SNSなど)のセッション・ユーザー・CV・CVRを一覧
  • CV寄与度を併記し、成果に効いている経路を可視化
03

ページ別

ページ単位で検索とアクセスを突合

  • Search Consoleの表示回数・クリック・CTR・平均順位
  • GA4のセッション・CVを同じ行に並べて表示
  • 前期比(増減・順位変動)と、各ページへの流入クエリのドリルダウン、CSVエクスポート
04

検索クエリ

どんな検索語で見つかっているか

  • 検索クエリ別の表示回数・クリック・CTR・平均順位のランキング
  • 前期比とクエリ絞り込みフィルター、CSVエクスポート
05

診断

改善候補を自動で抽出し優先順位づけ

  • CTRの期待値と実測値を比較し、取りこぼしているページを自動検出
  • Critical / Warning / Info の3段階で重要度を分類
  • 推定獲得クリック数(月間換算)の大きい順に並べ替え、対応済みステータスも表示
06

データについて

出典と読み方を明記

  • 接続しているGA4プロパティIDとSearch ConsoleのサイトURLを明記
  • データ反映ラグ(24〜48時間)や計測範囲などの注釈

対象サイトは切り替え式で、netsujo.jpに加えて、みやこでITのコミュニティサイトmiyakodeit.comも同じダッシュボードで確認できます。期間は「直近7日」「直近28日」「直近90日」を選べ、同じ長さの前期間と自動で比較します。

— 03

どのデータを引用しているのか

ダッシュボードが表示する実測値は、すべてGoogleの公式データです。引用元は次の2つで、架空の値は使っていません。なお後述の「診断」で用いる機会損失や推定獲得クリックは、この公式データに独自のロジックを適用して算出した推計値です。

Google Analytics 4(GA4)

プロパティID 382871067

取得指標:セッション / ユーザー / 新規ユーザー / ページビュー / エンゲージ率 / 平均滞在時間 / コンバージョン / CVR / 流入チャネル / 日別推移

Google Search Console(GSC)

サイト https://netsujo.jp/

取得指標:表示回数 / クリック数 / CTR / 平均掲載順位 / 検索クエリ / ページ別の検索パフォーマンス

認証にはGoogleのサービスアカウント(JWT)を使い、GA4 Data APIとSearch Console APIを呼び出して、検索とアクセスのデータを読み取ります。データは保存せず、画面を開くたびにその場でGoogleから取得する方式(オンデマンド取得)です。

GA4・GSCともにデータ確定には24〜48時間のラグがあり、当日分は未確定です。この点はダッシュボードの「データについて」ビューにも明記し、数値を過信しないようにしています。

— 04

サイト改善にどう役立つのか

このダッシュボードの中心は「診断」ビューです。そして診断の目的は、最終的なコンバージョン率(CVR)の向上にあります。コンバージョンは「検索意図を持つ訪問者をどれだけ集め、そのページでどれだけ行動につなげられるか」で決まります。診断はその入口を担い、すでに検索結果に表示されているのにクリックを取りこぼしているページを機械的に洗い出して、コンバージョン獲得の母数を広げる最初の一手を示します。仕組みはシンプルで、順位帯ごとのCTR期待値と実測CTRを比べ、その差分を機会損失として定量化します。

誰が診断するのか

人ではなく、ダッシュボードの診断ロジック(ルールベースの仕組み)が自動で診断します。常駐のアナリストのように、計測対象の上位ページを毎回・同じ基準で評価し続けます。

どう診断するのか

Search Consoleに表示されている上位ページの「掲載順位・表示回数・実測CTR」を取得し、順位帯ごとのCTR期待値と突き合わせます。順位・表示回数・CTRを総合して改善余地のあるページを抽出し、重要度でCritical / Warning / Infoに自動分類して、推定獲得クリックの多い順に並べます。

その価値

人手で多数のページを毎週同じ基準で見続けるのは難しく、主観や見落としも生まれます。システムが担うことで判断のブレと見落としを減らせ、「次にどのページを直せばコンバージョンの母数を広げられるか」が最新のデータに基づいて示されます。

順位帯ごとのCTR期待値(抜粋)

1位

28%

3位

10%

5位

5.5%

10位

2.5%

たとえば3位なら本来10%前後のクリック率が見込めます。表示回数が多いのに実測CTRがこの期待値を大きく下回っていれば、それは取りこぼしている「もったいないページ」だと機械的に判定できます。

Critical

取りこぼし

検索結果1ページ目(順位1〜10位)に表示され、表示回数が50回以上あるのに、CTRが順位相応の期待値の半分にも届いていないページ。すでに露出はあるため、タイトルと説明文を検索意図に寄せるだけでクリックが伸びる可能性が高い、最優先の改善候補です。

Warning

1ページ目押し上げ候補

2ページ目(順位11〜20位)に埋もれていて、かつ表示回数が150回以上あるページ。内部リンクの追加や本文の補強で1ページ目に押し上げられれば、流入が大きく伸びる余地があります。

Info

参考

表示回数が100回以上あるのにCTRが1%未満で、まだクリックに結びついていないページ。すぐ着手すべきではないが、今後の打ち手の参考として把握しておく対象です。

改善の効果測定まで一気通貫

検出された改善候補は、推定獲得クリック数(月間換算)の大きい順に並びます。流入インパクトが大きいページから着手できるため、限られた時間を無駄にしません。さらに、タイトルや説明文を修正して本番反映したページは「対応済み」として台帳に記録し、対応日(該当するPRがあればPR番号も)を診断結果に表示します。Googleの再クロールとCTR移動平均の都合で改善が数値に現れるまで2〜4週間かかるため、その間も「未対応」と区別して進捗を可視化できます。

クリック回復からCVR向上へ

診断が自動で担うのは、ここまで——「クリックを取りこぼしているページ」を見つけ、クリック回復の機会を示すところです。ここからコンバージョン率を実際に引き上げるのは、人間の仕事です。検索意図に合ったタイトル・説明文への書き換えで適切な訪問者を呼び込み、本文の説得力やCTA(行動喚起)の導線を磨いて、訪れた人を問い合わせや申し込みへつなげます。

STEP 1

診断(システム)

取りこぼしているページとクリック回復の機会を自動抽出

STEP 2

改善(人間)

タイトル・本文・CTAを検索意図に合わせて磨く

STEP 3

成果(CVR向上)

訪問者の質と量が高まり、行動につながる

— 05

技術構成

フロント

netsujo.jp本体と同じNext.js上に実装。タブ切り替えや期間変更のたびに内部APIを呼び、最新データを描画します。

API層

概況・ページ別・検索クエリ・診断・ページ別流入クエリの5系統のAPIに分割。それぞれキャッシュを無効化し、常に最新のGoogleデータを返します。

データ取得層

サービスアカウント認証でGA4 Data APIとSearch Console APIを呼び出し、両者を突合してページ単位のデータに整形します。

アクセス制御

ベーシック認証で保護し、検索エンジンにも登録していない社内専用ツールです。

技術スタック

Next.jsTypeScriptGA4 Data APISearch Console APIVercel

— 06

注意点・限界

ダッシュボードができること

  • GA4とGSCの統合表示
  • 機会損失の定量化と優先順位づけ
  • 前期比での変化の検出
  • 対応済み施策の進捗の可視化

人間が判断すべきこと

  • タイトル・説明文をどう書き換えるか
  • 本文をどう補強するか
  • 改善の効果が出たかの最終判断
  • 次に狙うキーワード・テーマの選定

数値の前提

CTRの期待値は順位帯ごとの一般的な傾向値であり、業種やクエリによって実際の水準は変わります。診断はあくまで改善候補の「あたり」をつけるためのもので、改善後の順位やクリック増を保証するものではありません。GA4・GSCともにデータ反映に24〜48時間のラグがあるため、当日の数値で一喜一憂せず、前期比とトレンドで判断することを前提に運用しています。

— 07

よくある質問(FAQ)

GA4とSearch Consoleの統合や、内製ダッシュボードの設計についてよく寄せられる質問をまとめました。

Q1

GA4とGoogle Search Consoleは何が違うのですか?

GA4はサイトに来た後の行動(セッション・滞在時間・コンバージョン)を計測し、Google Search Consoleは検索結果での見え方(表示回数・クリック・掲載順位・検索クエリ)を計測します。GA4はアクセス後、Search Consoleはアクセス前のデータであり、両者を突き合わせると検索からアクセスまでの流れを一気通貫で把握できます。

Q2

なぜGA4とSearch Consoleを統合する必要があるのですか?

「検索順位は高いのにクリックされていないページ」のような取りこぼしはSearch Console側で検出できますが、そのページが流入後にコンバージョンしているかはGA4側を見ないと分かりません。検索(流入前)と行動(流入後)を同じ画面に並べることで、別々の管理画面を行き来する手間と確認漏れをなくし、改善の優先順位をつけやすくします。

Q3

このダッシュボードは誰でも見られますか?

いいえ。ベーシック認証で保護した社内専用ツールで、検索エンジンにも登録していません。本記事は実データを公開せず、ダッシュボードの設計と価値のみを解説しています。

Q4

表示される数値の出典はどこですか?

GA4(プロパティID 382871067)とGoogle Search Console(https://netsujo.jp/)の公式データです。Googleのサービスアカウント認証でAPI経由で取得しており、架空の値は使っていません。ただし診断で用いる機会損失や推定獲得クリックは、この公式データに独自ロジックを適用した推計値です。

Q5

CTR期待値とは何ですか?

検索結果の掲載順位ごとに見込めるおおよそのクリック率です。たとえば1位は約28%、3位は約10%、5位は約5.5%、10位は約2.5%。実測CTRがこの期待値を大きく下回るページは、露出はあるのにクリックを取りこぼしている改善候補だと機械的に判定できます。

Q6

診断は誰が、どのように行っているのですか?

人ではなく、ダッシュボードの診断ロジック(ルールベースの仕組み)が自動で行います。Search Consoleに表示されている上位ページの掲載順位・表示回数・実測CTRを、順位帯ごとのCTR期待値と突き合わせ、改善余地の大きいページを抽出してCritical / Warning / Infoに自動分類します。対象ページを毎回・同じ基準で評価するため、主観や見落としが生まれにくくなります。

Q7

診断の目的は何ですか?

最終的なコンバージョン率(CVR)の向上です。コンバージョンは「検索意図を持つ訪問者をどれだけ集め、行動につなげられるか」で決まります。診断はその入口として、すでに検索結果に出ているのにクリックを取りこぼしているページを見つけ、コンバージョン獲得の母数を広げる一手を示します。母数を広げたうえで、ページの本文やCTAを人間が磨くことでCVRを引き上げます。

Q8

改善すべきページの優先順位はどう決めますか?

CTR期待値と実測CTRの差分を機会損失として定量化し、推定獲得クリック数(月間換算)の大きい順に並べます。これにより、流入インパクトが大きいページから着手できます(工数やコンバージョン価値は加味していないため、最終的な着手判断は人間が行います)。

Q9

Looker Studioなど既存ツールではだめなのですか?

既存ツールでも可視化はできます。内製の利点は、CTR期待値との差分から機会損失を自動算出し、対応済み施策を台帳化して進捗を追う、という改善アクション中心の設計を、自社の運用に合わせて作り込める点にあります。

Q10

施策の効果はいつ数値に表れますか?

Googleの再クロールとCTRの移動平均の都合で、タイトルや説明文を修正してから診断指標が改善するまで2〜4週間かかります。その間も「対応済み」として台帳に記録し、未対応と区別して進捗を可視化します。

Q11

データはリアルタイムですか?

画面を開くたびにGoogleから取得するオンデマンド方式です。ただしGA4・Search Consoleともにデータ確定には24〜48時間のラグがあり、当日分は未確定です。当日の数値で判断せず、前期比とトレンドで見ることを前提に運用しています。

まとめ

アクセス解析のGA4と検索パフォーマンスのGSCは、別々に見ているうちは「数値の確認」で終わりがちです。1画面に統合し、CTR期待値との差分から機会損失を定量化することで、はじめて「次に何を直すか」という行動につながります。

このダッシュボードは、Netsujo株式会社が自社サイトを継続的に改善するための実務ツールとして内製したものです。表示する実測値はGA4とGoogle Search Consoleの公式データのみで、診断ロジックも順位帯ごとのCTR期待値という明快な基準に基づいています。

自分たちで使う道具を自分たちで作る。その積み重ねが、サイトの改善速度と、私たちが提供する開発・分析の品質に直結すると考えています。

この記事の著者

飯田 友広

飯田 友広

代表取締役

Netsujo株式会社 代表取締役。京都発のWeb3・AI実装スタートアップを2023年6月に創業。京都府ワーキンググループ「Chain UP KYOTO」参画(2026-03-10)、京都美術工芸大学での講義・龍谷大学でのセミナー実績、ITコミュニティ「みやこでIT」(connpassメンバー592名・イベント158回以上・2019年2月から運営)運営。NPO法人NEMTUS理事、BAR KRYPTO運営。ソーシャル企業認証「S認証」取得企業(2026-02)。技術領域はWeb3/ブロックチェーン/DID/NFT/生成AI/コミュニティ運営。

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  • 自社サイトのアクセス解析と検索データを統合して見たい方

  • SEO改善の優先順位を数値で判断したい方

  • 社内向けの分析ダッシュボードの設計を検討している技術者

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