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Claude Code開発運用2026.04.23約15分で読めます

Claude Codeで、
1人で4プロジェクト並行運用の記録

2026年3月23日から4月23日までの1ヶ月間、Claude Codeで4つのプロジェクトを並行運用しました。コミット数は合計435です。会社のコーポレートサイト、自社メディア、飲食店Webサイト、Strapi CMS基盤を、1人で同時に進めた記録です。本記事では「なぜその使い方に行き着いたか」「どの機能がどの場面で効いたか」を、抽象論ではなく具体的なオペレーションとして残します。

想定読者

  • Claude Code を業務で使い始めたエンジニアの方

  • 個人開発者・1人CTOで複数プロジェクトを抱えている方

  • AIエージェントの運用設計・チーム連携に関心のあるチームリードの方

— 01

1ヶ月の数字

コミット数、プロジェクト数、デプロイ回数を並べるだけで、Claude Codeを使う前と後の生産性差がそのまま見えてきます。

435

コミット

1ヶ月の合計

4

プロジェクト

並行運用

60+

デプロイ

PR経由の本番反映

1

実働はオーナー1名

プロジェクト別内訳

コーポレートサイト

Next.js 16 + Strapi v5

200

commits

ケーススタディ3件新設 / SEO 17施策 / GA4計測 / ナレッジハブ / デザイン監査

自社メディア

記事配信・SEOハブ

182

commits

ハブ&スポーク記事戦略 / CTR改修 / 外部寄稿連動ニュース掲載

飲食店Webサイト

小規模CMS連携サイト

43

commits

Sheets CMS / 多言語対応 / JSON-LD構造化

CMS基盤

Strapi v5 (Railway)

10

commits

スキーマ拡張 / Cloudinary移行

補足

上記4プロジェクト以外にも、MoneyForward請求書処理・Google Workspace連携などの内部ツール運用が並行して走っています。本人の直接コーディングはほぼ無く、実装はほぼ全て Claude Code 経由で行いました。対話・方針決定・レビューに使った時間は別途必要ですが、実装待ちで手が止まる時間は劇的に減っています。

— 02

使った機能と使い分け

機能単体の凄さよりも、複数の機能を組み合わせることで「個人が部署を持つ」のに近い運用が成立します。

Sub-Agent: 探索・実装・レビューで三層化

Claude Code の Agent ツールは、役割を分けて使うとコンテキスト汚染を回避できます。本運用では3層で使い分けました。

  • 探索専用(Explore): コードベース横断の検索。結果だけを親エージェントに返し、探索中の大量のファイル読み込みを親コンテキストに残しません
  • 実装(general-purpose): 独立タスクの実装。worktree で分離し、親の作業を止めません
  • レビュー(code-reviewer): 実装後の独立レビュー。親が見落とした観点を引き出します

加えて自作した役職別エージェント(デザイナー・CTO・編集長など)を併用しています。役職ごとにシステムプロンプトと参照ルールを固定することで、レビューの質が安定します。

Task ツール: 並行タスクの状態管理

TaskCreate / TaskUpdate を「プロジェクト横断のバックログ」として使います。特に複数プロジェクトを同時に触る場合、どのタスクがどのPRに紐づくかをタスクのメタデータで管理すると混乱しません。

#57 [in_progress] コーポレートサイト 全体デザイン監査
#60 [completed]   #6 ケース詳細H2インフレ解消(3件)
#64 [completed]   #10 プレースホルダー画像改善

親タスク + 子タスクの構造にしておくと、Claude Code自身がどこまで進んだかを TaskList で即把握できます。セッションをまたいでも状態が残るため、再開が速いです。

Memory: ユーザープロファイルと不文律を永続化

Claude Code の auto memory(~/.claude/projects/<path>/memory/)は、セッション間でユーザーの好み・過去の失敗・プロジェクト文脈を引き継ぐ仕組みです。本運用では5種類の memory を使い分けました。

user

本人の役割・スキル・作業スタイル

例: PM経験ベースで要件整理を重視

feedback

過去の失敗・不文律・言語化されたルール

例: ポエム表現禁止 / main直push禁止・PR運用

project

案件固有の制約・締め切り・関係者

例: Strapi v5のpublishedAtはシステム管理

reference

外部サービスのID・URL・認証情報の所在

例: GA4 property / GSC URL-prefix

session

前回セッションの途中経過

例: どのPRをどこまで進めたか

新規メンバーにオンボーディング資料を渡すのに近い感覚で、Claude Code に不文律をドキュメントとして渡せます。毎回同じ注意事項を繰り返さずに済みます。

Skill: 自分の作業フローをコマンド化

~/.claude/skills/ 以下に自作スキルを置くと /skill名 で呼び出せます。本運用で自作したスキル例:

  • 記事執筆フォーマット: ですます調統一、ポエム表現禁止、構成テンプレ適用を一括チェック
  • デプロイ前チェックリスト: ビルド・型チェック・Preview URL 発行・Discord通知までを順序固定で実行
  • SEO 監査ルーチン: GSCデータ取得 → インデックス問題洗い出し → 改善案リスト化までを定型化
  • Strapi 操作手順: スキーマ追加・リバリデーション・Cloudinary連携の定型フロー

スキルは「Claude Code にどう振る舞ってほしいか」のプロンプトをコード化できます。毎回「この観点でレビューして」と書かずに済み、フロー全体の一貫性も担保されます。

MCP: 外部サービスとの統合

MCP は「Claude Code が扱えるツール」を後付けで増やせる機構です。本運用で使用したサーバー:

Canva

デザインファイル編集・コメント投稿(テキスト直接編集APIは現状なし)

Google Workspace

Docs/Slides/Sheets/Gmail/Drive の自動操作

Chrome DevTools

本番サイトのLighthouse監査・ネットワーク調査

Memory

エンティティ・リレーション管理(長期記憶)

Google Workspace MCP が意外と強力で、週次GA4レポートを Docs に自動生成し、そのまま Discord に投稿するところまで到達しました。

— 03

具体ユースケース5連発

抽象論ではなく、本当に1ヶ月で回した5つの具体例です。

01

サイト横断デザイン監査(1日で14項目処理)

自作した「デザイナー」ロールのサブエージェントに監査を投げ、問題点を一覧化しました。TaskCreateで14項目登録、優先度順に順次修正し、本人は方針決定とPRレビューのみを担当しました。H2プレフィックスの統一、R&D 4プロジェクトのカラー分け、CTA 2系統の書き分け、ヒーローH1のモバイル改行対策など、単体では些末ですが積み重なるとサイト品質を大きく左右する項目を一気に処理できます。

02

SEO 17施策の一括改善

GSC・GA4のデータをMCP経由で取得し、改善項目を優先度つきでリスト化したうえで、17項目を1つのPRで一括適用しました。53ページの「検出-インデックス未登録」修正、構造化データ警告5件のcodemod一括補正、旧URL 30件のリダイレクト、og:type/og:imageの全記事最適化などを含みます。人間が1つずつ修正すると3日かかる作業が1時間で完了し、並行して別サイトの記事執筆も進められます。

03

複数CMSスキーマ拡張(Strapi v5)

Strapiの新規コレクション(case-study / trust-signal)を追加しました。Claude CodeにスキーマのYAML仕様を渡し、schema.json + TypeScript型 + フロントエンドのfetcher関数を同時生成させます。Railwayでデプロイ、Cloudinary連携、Vercel側のリバリデーションまで一気通貫で実施します。publishedAtがシステム管理フィールドであるなどの罠を memory に記録しておくと、次回以降同じハマり方を回避できます。

04

業務自動化(コードを書かないClaude Code活用)

Claude CodeのMCPは業務系SaaSにも接続できます。GA4週次レポートをDocsに自動生成してDiscordに投稿したり、MoneyForward請求書の支払い代行をPlaywrightで実施したり、会社概要のGoogle Slides全スライドをバッチ更新するなど、コード生成と業務オペレーションを同じ運用体制で回せます。「コードを書くClaude Code」と「業務を回すClaude Code」の境界は、思ったよりも曖昧です。

05

デザインの複数パターン並走検証

デザインリニューアルの方向性を決めるとき、通常なら「1案で疲弊」するところを、Claude Codeは別ブランチを worktree で並列生成できます。Scandinavian・オーガニック・アカデミック・マルチカラーなど複数テイストを1日のうちに並走させて比較できます。ABテストではなく、ABCDEFテストが成立します。

— 04

体制設計: 品質ゲートとPR運用

「Claude Code にやらせない境界」を明示することが、速度と事故回避の両立に効きます。

レビューゲート3層

コード変更から merge までに必ず通すゲートです。

  • 1.デザイナーレビュー: UIが絡む全変更
  • 2.CTOレビュー: DB同期漏れ・デプロイミス・インフラ関連
  • 3.CEOレビュー: オーナーに報告する前の最終ゲート

オーナーが確認すべき「初歩的なミス」を Claude Code 間の相互レビューで弾きます。オーナー時間の節約と品質担保を両立できます。

main 直 push 禁止・PR運用

Vercel / Railway へのデプロイ回数がそのまま課金に跳ねるため、1日の本番デプロイは1回以内を目標にしています。

feature branch
  → commit + push
  → PR 作成 (gh pr create)
  → Preview URL を Discord 共有
  → オーナー目視確認
  → 「merge して」で明示承認
  → squash merge

重要なのは、「進めて」は作業継続+Preview共有までであって、merge ではないという点です。これを memory に明記しておかないと、Claude Code が勝手に merge する事故が起きます。

Discord通知で全出力を連携

全ての作業完了・エラー・調査結果を Discord Webhook に Embed 形式で送信しています。色分け(緑=成功、オレンジ=修正、赤=エラー、青=情報)で目視判断が高速化します。スマホでも状況把握できるため、移動中も意思決定できます。

— 05

失敗と対処

成功談だけを並べても再現性が出ません。1ヶ月で踏んだ落とし穴と、どう対処したかを残します。

Canva MCPのテキスト直接編集APIが存在しない

会社概要資料の更新で詰まりました。差分ガイド生成とコメント投稿までは可能ですが、テキスト直接編集は不可です。Google Slidesに切替して batch_update_presentation で全スライドを一括更新する方針に変更しました。

Vercel Preview ProtectionでClaude Codeが401

Preview URLにClaude Codeからアクセスしても、Vercel認証で弾かれてしまいます。自動スクリーンショット検証は諦めて、本人が目視確認する運用に統合しました。PreviewはオーナーがUI確認し、Claude Codeはビルドログとlintで品質を担保する役割分担に固定しています。

Strapi APIトークン再発行忘れ

Railwayでenv変更後、トークン失効で本番データ書き込みが不可になって止まりました。vercel env pull でのトークン取得手順を memory に固定化し、トークンが絡む作業前に必ず再確認するフローにしました。

承認フロー設計ミスで意図しない本番反映

曖昧な指示語(「進めて」)の解釈が、作業継続と merge OK で揺れた結果、意図しないタイミングで本番反映が走りました。明示キーワード(「merge して」)でのみ本番反映する運用に固定し、memory に記録しました。承認の線を曖昧にすると、速度の代わりに事故が起きます。

— 06

これから試すこと

  • Claude Agent SDK による自作エージェントの拡張
  • MCP サーバーの自作(社内ツール連携用)
  • Cron × Claude Code での定期バッチ完全自動化
  • 複数マシン並列運用(M1 Mac + クラウド VM)

まとめ

1ヶ月で 435コミット / 4プロジェクト / 1人 の運用は、Claude Code 活用なしでは成立しませんでした。

機能単体の凄さよりも、Sub-Agent × Task × Memory × Skill × MCP の組み合わせが効きます。特に Memory と Skill は、「同じ注意を毎回繰り返さない」「ロールの一貫性を担保する」という2点で、複数プロジェクト並行運用の基盤になります。

重要なのは「Claude Code にやらせない境界」の設計です。merge承認、デプロイ頻度、レビュー層の3点を明示ルール化しないと、速度の代わりに事故が起きます。

Claude Code は部下というよりも「組織」として扱うのが実態に近いです。個人が1人で複数プロジェクトを回すための基盤インフラとして、運用設計そのものが成果を左右します。

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