SEO・AIO
AIO対策会社の選び方
— SEO・計測・実装を発注前に見極める12の確認項目
この記事の要点
AIO・AI検索対策を頼める会社は玉石混交で、専門用語が多く成果の測り方も定まらないため、良し悪しを見分けにくくなっています。
Googleは公式ガイドで、生成AI向けの最適化は「SEOそのもの」であり、llms.txtやAI専用schemaは「必要ない」と明言しています。
発注前に、Google公式との整合・観測の再現性・実装まで担うか・過剰な保証をしないかを確認します。掲載や順位は保証できません。
「AIO対策」「AI検索対策」「GEO」といったサービスが急に増えました。AI検索で自社が正しく見つかるようにしたい、という需要は本物です。一方で、提供内容の実態は会社によって大きく違い、中には根拠の薄い施策を高額で売る動きもあります。
発注する側にとって難しいのは、専門用語が多く、成果の測り方も定まっていないため、良し悪しを見分けにくいことです。この記事では、AIO・AI検索対策を外部に頼む前に確認すべき12の項目を、それぞれ「なぜ重要か」「どう確認するか」「危険な回答例」の3点で整理します。判断の土台には、Googleが2026年6月に更新した公式ガイドの言明を使います。
なお、SEO会社や制作会社の選び方全般は別記事で扱っています。この記事はその中の「AI検索対策に特化した見極め」に絞った内容です。
— 01
AIO対策を頼める会社の種類
まず、頼める相手の種類を中立に整理します。どれが正解というより、自社の課題に合うかで選ぶものです。
SEO会社・SEOコンサル
検索での見つかりやすさを扱ってきた会社。AI検索の土台はSEOと共通するため、既存の知見が活きます。AI検索側の観測をどこまでやるかは会社差があります。
Web制作会社・開発会社
サイトの実装を担う会社。技術構造やレンダリングの改善は得意な一方、コンテンツ設計やAI観測は範囲外のことがあります。
AIO・GEO専業をうたう会社
AI検索対策を前面に出す新しい事業者。方法論が確立していればよいですが、用語の新しさだけを売りにしている場合は注意が必要です。
広告・PR会社の付帯サービス
既存の取引の延長で提供されるもの。専門性の深さは会社によります。
種類そのものより、次に挙げる12項目でどう答えるかが実力を分けます。
— 02
見極める12の確認項目
1. Googleの公式情報と矛盾しないか
なぜ重要か
Googleは公式ガイドで、生成AI検索のための最適化は「SEOそのもの」であり、「SEOのベストプラクティスは引き続き有効」と明記しています。同時に、llms.txtなどのAI向けファイル、コンテンツの細切れ化(チャンク化)、AI専用のschema.orgマークアップ、AIのための特別な書き方(answer-first等)は「必要ない」と明言しています。これらを「必須」「やらないとAIに載らない」と売り込む会社は、公式が不要とする施策で工数と費用を消費させることになります。
どう確認するか
「その施策はGoogleの公式ガイドのどこに基づいていますか」と聞きます。公式の言明と自社の主張の関係を説明できるかを見ます。
危険な回答例
「AI検索にはllms.txtが必須です」「AI用のschemaを入れないと生成AIに拾われません」「answer-first形式に全記事を書き換える必要があります」。いずれもGoogle公式の説明と矛盾します。
2. Google公認を匂わせていないか
なぜ重要か
「AI検索対策の認定」や「公認パートナー」といった資格をGoogleが第三者へ与えている、という公式プログラムは確認できません。「Google認定」「Google公式の手法」を掲げて権威付けする会社は、その根拠を確かめない限り、実力の裏付けとは言えません。
どう確認するか
「Google認定」等の表現の根拠を確認します。実在する公式プログラム(例: Google広告の認定資格)とAI検索対策は別物です。
危険な回答例
「Google公認のAIO手法です」「Googleに認められた独自メソッド」。AI検索対策について、そうした公認制度をGoogleが公表している事実は確認できません。
3. APIと製品画面(UI)を区別しているか
なぜ重要か
ChatGPTなどの生成AIは、開発者向けのAPIと、一般ユーザーが使う製品画面(UI)で挙動が異なります。検索機能の有無、参照するデータ、応答の傾向が違うため、「どちらで観測したか」を区別しないと、実際のユーザーが見る結果とずれた報告になります。
どう確認するか
「その観測はAPI経由ですか、製品画面ですか」「実際のユーザーが見る画面を再現していますか」と聞きます。
危険な回答例
この違いを説明できず、「AIで確認しました」としか言えない場合は、観測の設計が曖昧な可能性があります。
4. サンプル数を示せるか
なぜ重要か
AIの回答は毎回同じではありません。1回や2回の観測で「載った/載らない」を断定するのは、統計的に無理があります。どれだけの回数・条件で観測したか(サンプル数)を示せるかは、報告の信頼性に直結します。
どう確認するか
「何回、何条件で観測しましたか」と聞きます。数を答えられるかを見ます。
危険な回答例
「AIに聞いたら御社が出てきました」という単発のスクリーンショットだけの報告。再現性の裏付けがありません。
5. 同一クエリを繰り返し観測しているか
なぜ重要か
AIの回答は同じ質問でも揺れます。同一クエリを複数回投げて、言及の安定度を見ないと、たまたま出た1回を成果と誤認します。繰り返し観測は、変動を前提にした計測の基本です。
どう確認するか
「同じクエリを繰り返し投げていますか」「言及される頻度で見ていますか」と聞きます。
危険な回答例
「1回試したら載っていたので大丈夫です」。1回の結果を恒常的な状態と扱うのは危険です。
6. 観測に使うクエリセットを開示できるか
なぜ重要か
どんな質問(クエリ)でAIに聞くかによって、結果は大きく変わります。都合のよい質問だけを選べば、良い結果を作り出せてしまいます。使うクエリセットを開示できることは、報告の恣意性を排除する条件です。
どう確認するか
「観測に使う質問のリストを見せてください」と依頼します。自社の実際の見込み客が使う言葉に沿っているかも確認します。
危険な回答例
クエリを開示せず「独自のノウハウなので出せません」とだけ答える。検証できない主張になります。
7. 観測方法を文書化しているか
なぜ重要か
サンプル数・繰り返し・クエリセット・観測条件(サービス、地域、時点、API/UIの別)が文書としてまとまっていれば、第三者が再現・検証できます。方法論が文書化されているかは、報告が「印象」ではなく「手続き」に基づくかの分かれ目です。
どう確認するか
「観測方法をまとめたドキュメントはありますか」と聞きます。条件が明記されているかを見ます。
危険な回答例
「その都度、担当者が確認しています」で、手順が文書として存在しない場合、報告の再現性は担保されません。
8. AIの出力を人が検証しているか
なぜ重要か
AIは事実でない内容を、もっともらしく出力することがあります。AIの観測結果をそのまま報告に載せると、誤った事実が混ざります。AIの出力を人が突き合わせて検証する工程があるかは、報告の正確さを左右します。
どう確認するか
「AIの出力は人が確認していますか」「事実と違う出力はどう扱いますか」と聞きます。
危険な回答例
AIが生成した要約やレポートを、人の確認なしにそのまま納品する運用。
9. Search Console・GA4の実データと突き合わせるか
なぜ重要か
AI検索での見え方は、AIサービス側の観測だけでは片手落ちです。GoogleのAI Overviews由来を含む流入は、Search ConsoleとGA4の実データに現れます。実測データと突き合わせない改善提案は、根拠が観測の印象に偏ります。
どう確認するか
「Search ConsoleやGA4の実データと照合しますか」「表示回数・クリック・流入の変化をどう見ますか」と聞きます。
危険な回答例
実データに触れず、AIのスクリーンショットだけで「効果が出ています」と結論する。
10. 実装まで担うのか、指摘だけか
なぜ重要か
「ここが問題です」という指摘だけでは、サイトは変わりません。改善は、コンテンツの修正・技術構造の調整・情報の整合など、実装まで進んで初めて、成果につながる可能性が生まれます。指摘のみか、実装まで担うのかは、費用対効果を大きく変えます。
どう確認するか
「提案だけですか、実装まで対応しますか」「実装は誰が、どこまでやりますか」を最初に確認します。
危険な回答例
高額なのに成果物が「改善提案書」だけで、実装は別途見積もり、という構成。
11. 「必ずAIに載る」といった保証をしていないか
なぜ重要か
Google以外のAIサービスの挙動は、モデルの更新・検索機能の有無・地域・時点で変動し、外部が保証できるものではありません。Google側も、AI機能に出る条件は「インデックスされ、スニペット表示の対象であること」であり、それ以上の特別な保証はありません。「必ずAIに載せます」という約束は、コントロールできない結果を保証する誇大表現です。
どう確認するか
「成果はどう定義しますか」「保証する範囲と、保証できない範囲を教えてください」と聞きます。
危険な回答例
「1か月でChatGPTに必ず表示させます」「AI検索1位を保証します」。順位や表示を保証する主張は避けるべきです。
12. 成果物の権利と、データの取り扱いが明確か
なぜ重要か
この項目は、契約とセキュリティの2つを含みます。ひとつは、作成した原稿・レポート・実装した成果物の権利が発注側に帰属するか。継続前提で権利を握られると、乗り換えが難しくなります。もうひとつは、観測や分析で扱う自社情報が、どこに保存され、外部のAIサービスなど第三者にどう送られるか。機密情報の取り扱いが説明されないと、情報漏えいのリスクを負います。
どう確認するか
「成果物の権利は当社に帰属しますか」「当社の情報はどこに保存され、どの外部サービスに送られますか」を契約前に確認します。
危険な回答例
成果物の権利が受注側に残る契約や、扱うデータの保存先・第三者送信について説明がない状態。
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よくある失敗パターン
用語の新しさに費用を払ってしまう
「AIO」「GEO」という言葉が新しいだけで、中身は根拠の薄い施策——llms.txtの設置やAI専用schemaの追加など、Google公式が不要とするもの——だった、というケースです。言葉の新しさと、必要な作業の新しさは別です。項目1で見極めます。
単発のスクリーンショットを成果と受け取ってしまう
「AIに聞いたら御社が出ました」という1枚の画面を成果として受け取り、継続契約に進んでしまうケースです。AIの回答は変動するため、1回の結果は状態を表しません。項目4〜7で見極めます。
よくあるご質問
AI検索対策は、SEO会社に頼めばよいのですか。それとも専業の会社ですか。
会社の種類より、この記事の12項目にどう答えるかで選ぶことをおすすめします。AI検索の土台はSEOと共通するため、SEOの実力がある会社は有利です。そのうえで、AIサービス側の観測を方法論として持っているかを、項目3〜9で確認してください。
「llms.txtが必須」と言う会社は避けるべきですか。
Googleは公式ガイドで、AI向けファイルの作成は「必要ない」と明記しています。llms.txtの設置自体が有害というわけではありませんが、「必須」「これがないとAIに載らない」と断定する説明は、公式情報と矛盾します。根拠を確認し、慎重に判断してください。
「必ずAIに載せます」という保証は信用できますか。
Google以外のAIサービスの表示は、モデル更新・地域・時点で変動し、外部が保証できる性質のものではありません。Google側も、AI機能に出る条件は「インデックスされ、スニペット表示の対象であること」までです。「必ず載る」「順位を保証」という約束は、コントロールできない結果への保証であり、避けるべきです。
発注前に最低限どこを見ればよいですか。
時間がなければ、項目1(Google公式と矛盾しないか)、項目4〜7(観測の再現性)、項目10(実装まで担うか)、項目11(過剰な保証をしないか)の4点を優先してください。この4点で、根拠のない施策と再現性のない報告の大半をふるいにかけられます。
この記事の著者

飯田 友広
代表取締役
Netsujo株式会社 代表取締役。京都発のWeb3・AI実装スタートアップを2023年6月に創業。Webサイトを営業基盤として捉え、経営・営業・検索・生成AI・コンバージョン・計測を横断して課題と改善優先順位を整理する「Netsujo SIGNAL」を設計・運営。京都ビッグデータ活用プラットフォーム参画(小規模企業会員・ベンチャー)、同プラットフォーム発のワーキンググループ「Chain Up KYOTO」参画(2026-03-10)、IVS2026サイドイベント「なぜ京都でWeb3.0ビジネスなのか」を京都府庁旧議場で開催(2026-07-02・Netsujoとして主催、企画・登壇・運営/京都府デジタル政策推進課は共催)。京都美術工芸大学での講義・龍谷大学でのセミナー実績、ITコミュニティ「みやこでIT」(connpassメンバー609名・イベント162回以上・2019年2月から運営)運営。NPO法人NEMTUS理事、BAR KRYPTO運営。ソーシャル企業認証「S認証」認証企業(2026年2月認証・2026年4月公表)。技術領域はWeb3/ブロックチェーン/DID/NFT/生成AI/コミュニティ運営。
プロフィールを見るこの記事が向いている方
AIO・AI検索対策の発注先を選定するBtoB企業の経営企画・事業担当
SEO会社・制作会社とAIO対策会社の違いを整理したい方
根拠の薄い施策や再現性のない報告をふるいにかけたい方
— 壁打ち相談
読者のよくある相談
記事を読んだ後に「自分の状況だとどう判断すべきか」を整理するための壁打ち相談を受け付けています。下記のような相談例が当てはまる方は、お気軽にご連絡ください。
Q. AIO対策はどこに頼めばよいですか?
会社の種類より、12項目にどう答えるかで選びます。自社の課題と、診断だけでよいか実装まで要るかを整理します。
Q. 「AIに必ず載る」という保証は信用できますか?
AIサービスの表示は変動し、外部が保証できるものではありません。保証をうたう提案はむしろ注意が必要です。
Q. 発注前に最低限どこを見ればよいですか?
Google公式との整合、観測の再現性、実装まで担うか、過剰な保証をしないか、の4点を優先します。
上記いずれかが該当する場合、初回30分の壁打ち相談で論点整理に対応します。記事に書ききれない個別事情を踏まえた判断材料が必要な段階こそ、壁打ちが活きやすいフェーズです。
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