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Web改善

Web診断から改善実装まで。料金表示の不一致を1件修正した記録

SIGNALの料金表示にあった税別・税込の説明差を、仕様化・実装・レビュー・公開確認まで進めた実例。成果測定の限界も整理します。

Web診断から改善実装まで。料金表示の不一致を1件修正した記録

Webサイトの診断結果には、改善候補が何十件も並ぶことがあります。しかし、実際の画面が一か所も変わらなければ、訪問者の行動を改善する機会はそのまま残ります。担当者も、どの修正を誰に依頼し、何を確認すれば作業を終えられるのか判断できません。

2026年10月15日、NetsujoのWebサイトでも、SIGNALの料金表示に改善余地が見つかりました。料金の比較欄には「月額70,000円(税別)」だけが表示され、FAQには「77,000円(税込)」も掲載されていました。どちらも同じプランの金額ですが、閲覧場所によって比較に使える情報が異なっていました。

その後、料金の正本を維持したまま日本語・英語の表示を修正し、テストと独立レビューを経てコードを統合しました。現在の日本語料金ページでは、「月額70,000円(税別)/77,000円(税込)」を確認できます。

この小さな修正には、Web改善を継続するための重要な要素が詰まっています。問題の発見、原因の切り分け、変更仕様の確定、実装、公開確認、そして効果測定まで、一件の仕事として扱う方法を説明します。

発端:同じプランなのに、画面によって情報の粒度が違った

SIGNALの定期診断プランには、税別70,000円と税込77,000円という二つの表示方法があります。税率10%を適用した同じ月額を示しています。今回の仕事では、承認済みの商品価格をそのまま維持しました。購入を検討する読者が、どの説明を見ても同じ条件を把握できるようにする作業でした。

価格について調べる人は、必ずしも料金表を先頭から最後まで読むとは限りません。比較欄だけを見て他社サービスと比べる人もいれば、FAQから申込条件を確認する人もいます。税区分が見落とされると、社内稟議の金額や比較表を作り直す手間が生じます。この影響は読者行動についての合理的な仮説です。今回、実際に誤発注や失注が発生したという記録は確認していません。

初期観測を、そのまま「金額の誤記」として実装修正へ渡すのは危険です。まず、次の三点を照合しました。

  1. 商品として承認されている月額はいくらか。
  2. 各表示箇所では税別・税込のどちらを示しているか。
  3. 料金変更を伴わず、読者への説明を揃える方法はあるか。

この確認によって、改善対象を価格データの変更から、価格情報の提示方法の統一へ絞り込めました。

変更の前に、正本・表示箇所・承認範囲を分ける

同じ価格が複数画面に登場するサイトでは、表面的な文言修正だけで新しい不一致を作ることがあります。料金ページを更新しても、共通のプランカードや英語ページが古いまま残る可能性があります。逆に、価格データそのものを書き換えると、申込・決済・契約案内まで影響が広がるおそれがあります。

そこで今回の改善では、次の要素を別々に確認することにしました。

変更の前に、正本・表示箇所・承認範囲を分ける
確認するもの今回の判断理由
商品価格の正本維持月額を維持して表示を改善するため
日本語料金ページ修正対象比較欄でも税別・税込を把握できるようにするため
共通プラン案内修正対象再利用される表示の整合性を保つため
英語の料金表示修正対象海外向けの読者にも同じ価格情報を届けるため
契約・決済条件維持表示改善と契約改定を混在させないため
他プランの金額維持変更対象を一件に限定するため
フォーム・申込動線維持修正と無関係な業務経路を保護するため

「触る場所」と「保持する場所」の両方を明確にします。これは制作会社へ依頼するときにも有効です。依頼先は対象箇所を実装し、事業責任者は商品の正本と表示内容が一致するかを判断できます。

実際の修正を、一枚の改善仕様として記録する

今回の修正を、現場へ渡しやすい形式に整理すると次のようになります。記載内容は実際の変更を説明するために再構成したもので、社内PR本文を要約・再構成しています。

実際の修正を、一枚の改善仕様として記録する
項目改善仕様
課題同一プランの月額で税込併記の有無が混在している
対象日本語料金ページ、共通プラン表示、英語料金表示
変更の目的価格の比較・確認に必要な税区分と税込金額を同じ粒度で示す
表示する金額月額70,000円(税別)/77,000円(税込)
維持する条件元の月額、他プラン、契約条件、CTA、既存の画面構造
承認者が確認する点正規料金との一致、説明範囲、英語の意味の一致
技術的な完了条件対象ファイルの変更・テスト・型検査・lint・独立レビューの確認
公開後の確認正規ドメインの対象表示を読み戻し、日本語・英語の表記を照合
効果の確認将来の閲覧・相談・申込データと比較。今回の効果は未測定

仕様の価値は、見つけた問題を長文で説明することより、変更後の画面を誰がどう判定するかを明確にできる点にあります。たとえば、税込金額を表示するだけなら数分で直せる箇所もあるでしょう。しかし、共有部品や翻訳、公開権限、キャッシュが関わると、確認すべき範囲は広がります。

実装では、三つのソース領域を変更した

今回の修正を管理したのは、Netsujoのサイト開発用リポジトリにあるPR #587です。変更したのは、料金ページ本体、共通のSIGNALプラン要約、英語ページの料金文言に対応する三つのソースファイルでした。

日本語側では、比較欄とプラン説明で税込金額を確認できるようにしました。共通のプラン要約も同じ商品の税込データを使用する構成に合わせました。英語側では、税別・税込に相当する表現を揃えています。

注意書きにも変更が必要でした。以前の「表示価格はすべて税別」と読める一律の説明は、税込金額が明示された画面と組み合わさると不自然になります。現在は、税込と明記した金額を除いた価格表示について税別扱いを示す説明になっています。

この一件から、文言修正でも関連する共通部品・多言語表示・注意書きを確認する必要が分かります。日本語ページの特定の一文だけを書き換えると、問題を別の場所へ移してしまう可能性があります。

テストで確認したことと、本番で確認したこと

PR #587には、対象のソース変更に対する型検査、lint、必須CI、独立レビューの受入記録があります。PRはマージされています。これは、変更候補を技術的に検査し、所定の開発手順で統合したことの証拠です。

次に確認するのは、実際の公開画面です。2026年10月18日に正規ドメインを読み戻したところ、少なくとも日本語料金ページの比較欄とSIGNAL料金欄に、税別70,000円・税込77,000円の併記を確認しました。英語料金ページにも対応する公開ページがあります。

ここで、検証対象を明確に分けておきます。

テストで確認したことと、本番で確認したこと
工程確認する結果今回の証拠範囲
課題の観測どの表示が異なっていたか2026年10月15日の内部診断記録
変更の実装どのソースを修正したかPR #587の変更ファイルと説明
技術検証想定した変更に対する検査結果PRに紐づく型検査・CI・独立QC
統合修正候補が正規のコードへ採用されたかマージ済みのPR記録
公開確認正規ドメインで修正内容を閲覧できるか10月18日の公開料金ページの読み取り
顧客への効果迷い・問い合わせ・商談の変化今回は測定結果なし

公開確認では、掲載場所を一点確認しただけで全経路の正常性を推定しません。実務での本番受入なら、PC・モバイル、プラン選択、フォーム、英語表示、構造化データなど、変更が影響しうる経路を対象に加えます。検査範囲は変更のリスクに応じて決めます。

よく起こる手戻りを、実装前に減らす

このような変更は、修正前に次の確認をすると手戻りを抑えやすくなります。

① 金額の出所を確定する。 料金カード、FAQ、契約書、決済設定がそれぞれ独立している場合は、どれが承認された販売条件を表しているかを調べます。

② 再利用箇所を洗い出す。 共通コンポーネントや英語ページまで影響するかを確認します。原稿だけの変更でも、別の部品が旧表現を表示していることがあります。

③ 表示変更と商品変更の境界を固定する。 価格そのもの、消費税の扱い、契約開始条件、解約条件は別途の承認対象として扱います。

④ 公開後の証拠を残す。 Gitのマージ結果と、実際の公開URL・表示内容・確認日時を対応付けます。問い合わせへの効果は、その後の計測で評価します。

⑤ 失敗時の戻し方を決める。 税込金額の出し方が決済条件と矛盾する場合、修正対象だけを元の承認済み表示へ戻せるようにします。関連する契約情報を推測で変更しません。

「修正自体は簡単」という評価と、「安全に公開できる」という評価は、それぞれ担当者と証拠が異なります。

公開後の成果は、どの数字で測るべきか

ここまでで確認できたのは、表示の整合性が改善したことです。価格を読み比べる際の迷いが減った可能性はありますが、問い合わせや売上に与えた影響は未測定です。

次の効果検証では、まず変更前後の計測条件を揃えます。料金ページの流入元、デバイス、対象期間、同時に実施した他の施策を記録します。アクセスが少ないときは、数件の変化から効果を断定せず、観測期間を延ばす判断も必要です。

公開後の成果は、どの数字で測るべきか
観測項目調べる目的注意点
料金ページの閲覧数比較対象となる閲覧母数を把握する流入の増減を表記修正だけに帰属させない
対象プランのCTA遷移次の検討行動に進んだ割合を見る計測の実装・同意条件を先に確認する
フォーム到達・送信相談への移行が変化したか調べる送信の実成功とクリックを区別する
適格な相談の件数営業上の意味を評価する件数だけで契約・売上を推定しない
価格についての質問税表示の理解に問題が残るか調べる記録方法と分類基準を揃える

検索順位は、料金表の見やすさを直接測る指標としては遠回りです。価格の理解に関する仮説なら、料金表示から相談までの行動と、実際の質問内容に近いデータを優先します。

自社サイトでも、最初の一件から始められる

ここまでの方法は、料金表示以外にも応用できます。サービス対象者の説明、導入期間、相談時に必要な情報、既存ページとFAQの案内が食い違っている場合も、まず正本を確認し、対象の表現を一件だけ統一できます。

着手前には、次の五つを一枚にまとめてください。対象URL、確認した問題、承認する内容、変更する箇所、公開後の受入条件です。これが揃えば、既存の制作会社や社内担当者へ具体的な依頼を渡しやすくなります。

Netsujo SIGNALは、Webサイトの現状を観測し、改善候補から優先課題を選び、実装可能な仕様と公開後の検証へつなぐためのサービスです。実際の本番変更は、顧客の社内担当者や既存の制作会社が担う場合もあります。Netsujoがどこまで実装を担当するかは契約範囲に応じて決まります。

自社サイトの改善候補を整理したい方は、Netsujo SIGNALと無料診断の案内から確認できます。

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*編集上の注記(2026年10月18日):事例の事実関係はNetsujo SITE PR #587と公開料金ページに基づきます。サイトの内部リポジトリは非公開です。売上・商談・検索順位への影響は今回の資料から確認できません。本文の業務手順と計測項目は、実例から抽出した再利用可能な設計案です。*