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STO発行プラットフォーム比較 — 国内2 / 海外4 / 2026年版
RWA2026.05.16約12分で読める

STO発行プラットフォーム比較

国内2大基盤と海外主要プラットフォーム(2026年版)

— 1行で答えると

STO(セキュリティトークンオファリング)の発行・管理基盤は、日本ではProgmat ST(Progmat, Inc.)と ibet for Fin(BOOSTRY)が主要選択肢、海外では Securitize / INX / tZERO / Polymesh が比較対象です。発行規模・投資家層・対象資産・二次流通の見通しによって最適プラットフォームが異なるため、構想段階での見極めが重要です。

本記事では、国内2大基盤と海外主要4プラットフォームの特徴比較、5つの選定基準、想定発行ケースごとの推奨選択を整理します。

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国内2大プラットフォーム

日本のSTO市場では、Progmat ST(Progmat, Inc)と ibet for Fin(BOOSTRY)が主要な発行・管理基盤として利用されています。両者は背景金融機関、コンソーシアム設計、得意領域が異なります。

Progmat ST

Progmat, Inc.三菱UFJ信託銀行発・複数金融/IT企業による共同出資

ST発行累計額2,269億円・45案件(2026年3月公表時点)

基盤: Corda系基盤(Avalanche L1対応を進行中)

  • 三菱UFJ信託銀行発で、信託銀行・証券会社等との組成実績が豊富
  • 不動産STで国内トップクラスの取扱実績
  • 受益証券発行信託スキームと親和性が高い

大型不動産STの組成に強み。2026年3月公表の大阪堂島浜タワー224億円案件は、MUFG一体で取り組む不動産STとして初の事例。

ibet for Fin

BOOSTRY野村HD・NRI発、SBI・JPX総研も出資

公募ST市場全体で2026年度末累計約5,300億円見通し(BOOSTRY予測)

基盤: GoQuorum(Ethereum派生のパーミッション型基盤)

  • 野村・SBI・SMBC日興・BOOSTRY等が設立した業界横断コンソーシアム
  • 国内金融機関21社と共同運営(2025年時点)
  • 債券・不動産証券など金融商品のトークン化を想定

社債・不動産証券など幅広いST発行に対応。コンソーシアム型で複数の金融機関が共同利用する設計。

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海外主要プラットフォーム

海外では Securitize・INX・tZERO が発行・流通インフラの主要候補、Polymesh は規制資産向け専用ブロックチェーン路線で差別化を図っています。

プラットフォーム本社主な許認可主な対象
Securitize米国SEC登録移転代理人/関連会社でBroker-Dealer・ATSファンド持分・不動産・プライベートクレジット等の機関投資家向けST
INX米国/カナダ上場グループSEC登録Broker-Dealer/ATSST/RWAの発行・流通、個人投資家向け展開
tZERO米国SEC登録Broker-Dealer/ATSプライベートカンパニー・ファンド等の二次流動性確保
Polymath / Polymeshカナダ発/スイス拠点エコシステム専用ブロックチェーン(パーミッション型パブリックチェーン)コンプライアンス強化型ST発行(規制親和性重視)

Securitize

RWAトークン化の大手。発行・投資家管理・移転制限・流通までを含むデジタル証券インフラを提供。

INX

INX.Oneでデジタル証券と暗号資産の取引基盤を提供。一次発行から二次流通までの接続を志向。

tZERO

米国のトークン化証券ATSの主要プレイヤー。未上場株・ファンド等の二次流通に強み。

Polymath / Polymesh

規制資産向けに設計された Polymesh を展開。TokenStudio等を通じて200件超のトークン発行支援実績。

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5つの選定基準

想定発行規模

数億〜数十億円規模なら国内基盤(Progmat / ibet for Fin)と国内ライセンス業者を組み合わせた私募・公募設計が現実的。数百億円規模の不動産STはProgmat、グローバル展開を視野に入れるならSecuritize等の海外基盤も比較対象。

投資家層

日本国内の個人投資家を主対象とするなら、国内基盤と国内の第一種金融商品取引業者との連携が前提。海外機関投資家を取り込みたい場合は SEC 登録移転代理人・Broker-Dealer・ATS 等の機能を持つ Securitize / INX / tZERO との接続性も検討対象。

対象資産

不動産信託受益権はProgmatが強い。社債・不動産証券など複数金融機関で共同利用する設計は ibet for Fin が候補。ファンド持分・プライベートクレジットはSecuritize、ST/RWAの発行・流通接続はINXも比較対象。

二次流通の確保

国内では ODX(大阪デジタルエクスチェンジ)の START が2023年12月から稼働。海外では tZERO ATS / INX.One などが主要な二次流通候補。発行段階で流通市場との接続を視野に入れて設計することが重要。

コンプライアンス・規制対応

日本での発行・募集・売買の取扱いは金商法を前提に、第一種金融商品取引業者等との連携設計が重要。米国ではReg D・Reg A+等の使い分け、EUではMiFID II・目論見書規則・DLT Pilot Regime等への対応が論点。MiCAは主に暗号資産向けであり、有価証券トークンでは別枠の整理が必要。

Netsujo のサポート

プラットフォーム選定は STO 全体設計の出発点です。発行規模・投資家層・対象資産から最適な選択肢を整理する PoC設計の段階を Netsujo がサポートします。RWA 全体像は RWAトークン化の基礎、不動産RWAは 不動産RWAの日本での実例と規制をご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

Q1

STOとICOの違いは何ですか?

STO(Security Token Offering)は、有価証券性のある権利をトークンとして発行・移転管理する資金調達手法です。ICO(Initial Coin Offering)は、一般にユーティリティトークン等を用いた資金調達を指します。STOは各国の証券法・金商法の対象となり、開示・KYC/AML・販売業者ライセンスなどの要件が重くなります。機関投資家を取り込む場合は、証券規制に沿ったSTO設計が前提になります。

Q2

日本でSTOを発行するのに必要な許認可は?

電子記録移転有価証券表示権利等(ST)の募集・売買の取扱いには、金商法上の登録業者との連携が必要になります。発行体が単独で完結させる例は少なく、Progmat ST や ibet for Fin に関与する信託銀行・証券会社等と組成パートナーシップを組む形が一般的です。

Q3

Progmat ST と ibet for Fin はどう使い分けるべき?

不動産信託受益権を裏付け資産とする大型案件は Progmat ST の実装実績が厚く、信託銀行・証券会社・運用会社との連携実務も整理されています。社債・不動産証券などを複数金融機関で共同利用する業界横断型の発行は ibet for Fin が候補になります。発行体の業務関係(メインバンク等)も実務上の選定要因です。

Q4

海外STOプラットフォームを日本企業が使えますか?

技術的には可能ですが、日本居住者向けの勧誘・販売は金商法の規制対象となるため、日本居住者をオファリングから除外するか、国内ライセンスを持つ業者と連携する必要があります。米国向けに発行する場合は Reg D(私募)・Reg A+(小規模公募)等の枠組みで Securitize / INX 等を利用するパターンが検討対象です。

Q5

二次流通市場はどこが主流?

国内では大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)の START が2023年12月に売買取引を開始し、2026年3月末時点で8銘柄が取引対象になっています。米国では tZERO ATS、INX.One などが主要な二次流通候補です。発行体が二次流通を視野に入れる場合は、発行プラットフォームと流通市場の接続性を事前に確認することが重要です。

Q6

スマートコントラクトを自前で開発する必要は?

Progmat ST・ibet for Fin・Securitize等の主要プラットフォームは、発行・移転管理・投資家管理などの基盤機能を提供するため、個別案件ごとにゼロからスマートコントラクトを開発する必要は通常ありません。独自要件(特殊な分配ロジック・複雑なKYC要件等)がある場合のみ追加開発を検討します。

Q7

STO発行にかかる期間と費用は?

対象資産・スキーム・販売方法によって大きく変わりますが、法務確認・信託組成・販売準備込みで数ヶ月〜1年以上かかることがあります。コストはプラットフォーム利用料・信託組成費・第一種金商業者の引受/販売手数料・KYC運用費などで構成されます。事前の構想整理(PoC)段階で全体費用感を把握しておくことが重要です。

Q8

STOは個人投資家でも買えますか?

公募STであれば個人投資家も購入可能です。Progmat ST や ibet for Fin を用いた不動産ST・社債STは、証券会社経由で個人向けに販売される例があります。一方、私募STは適格機関投資家や特定投資家等に限定される場合があります。1口あたりの金額は案件により異なり、10万円〜100万円程度の事例があります。

Q9

プラットフォーム選定を相談したい場合は?

Netsujo の PoC設計パッケージ(80万円・4週間)で、想定発行規模・投資家層・対象資産から最適プラットフォームを整理する伴走支援を提供しています。料金詳細は /pricing ページを参照ください。

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