AI・生成AI
AI導入診断の進め方
業務の棚卸しからROI試算・ロードマップまで、10営業日の診断で何が分かるかを費用とあわせて解説します。
「社内業務にAIを導入したいが、どの業務から始めるべきか決められない」という状態は、多くの企業でAI活用が止まる最初のポイントです。ツールの選定やPoCの前に必要なのは、自社の業務のどこにAIが効くかを特定し、投資対効果を試算する「診断」の工程です。本記事では、京都のAI・Web3開発企業Netsujoが提供するAI業務適用診断パッケージ(30万円・税別・10営業日)を例に、AI導入診断で何が分かるか、どう進むか、費用に何が含まれるか、診断後にどんな選択肢があるかを解説します。金額・成果物はすべて当社が料金ページで公開している実データにもとづく一例です。
この記事の要点
AI導入診断とは、業務プロセスを棚卸しし、AI適用候補領域の特定・ROI試算・実装ロードマップの作成までを行う、導入前の調査工程です。当社の場合、10営業日・30万円(税別・固定)で提供しています。
10営業日で得られるのは「どの業務に・どの優先順位で・どれくらいの効果見込みでAIを入れるか」の判断材料一式です。AIシステムの実装やPoC構築そのものは診断には含まれません。
診断後の選択肢は、自社推進、他ベンダーへの引き継ぎ、診断元への開発依頼の3つです。診断は比較材料を増やしますが、発注や導入の成功を保証するものではありません。
— 01
診断は「どこにAIを入れるか」を10営業日で揃える工程
AI導入診断とは、AIツールやシステムを作る前に、自社業務のどこにAIを適用すべきかを特定し、効果を試算し、実装の順番を決める調査工程です。当社の場合、この工程を10営業日・30万円(税別)の固定価格で提供しています。
最初に、本記事で扱う「診断」の対象を定義します。ここで診断するのは社内業務へのAI導入可否です。WebサイトがAI検索でどう見えるかの診断(AIO・可視性診断)とは別のサービス領域であり、本記事では扱いません。
AI導入で最初に必要なのは、ツール選定でも開発でもなく、次の3つの問いへの答えです。
- どこに入れるか:自社の業務のうち、AIが効果を出しやすい領域はどこか
- 入れる価値があるか:その領域で、コスト削減・売上増がどの程度見込めるか
- どの順番で入れるか:複数の候補を、どの優先順位で進めるか
この3つが曖昧なままPoCやツール導入に進むと、「試したが業務に定着しない」「効果を説明できず継続予算が下りない」という結果につながりやすくなります。導入プロセス全体の失敗パターンと回避策は生成AI導入ガイドやPoC失敗パターンで解説しているため、本記事は診断フェーズに絞ります。
— 02
AI導入診断で分かること
診断で何が分かるかは、営業トークではなく成果物の一覧で確認できます。当社のAI業務適用診断パッケージの成果物は次の5点です。
| 成果物 | 分かること |
|---|---|
| 業務プロセス棚卸しヒアリング(90分×2回) | 自社の業務のうち、AI適用の検討対象になる工程の全体像 |
| AI適用候補3〜5領域の特定レポート | どの業務に生成AI・LLMが効きやすいか、その根拠 |
| 領域別のROI試算 | 各候補領域でのコスト削減・売上増の試算値(前提付き) |
| 実装優先順位とロードマップ(3〜6ヶ月) | どの順番で、どんなステップで実装へ進むか |
| ベンダー選定の判断材料 | 発注時に何を要求し、何を比較すべきか |
この5点が揃うと、「AIで何かやりたい」という抽象的な号令を、「この業務のこの工程に、この効果見込みで、この順番で入れる」という稟議にかけられる具体案へ変換できます。
逆に、診断に含まれないものも明確です。当社パッケージの場合、AIシステムの実装・PoC構築、ベンダーとの契約交渉代行、大規模なユーザー調査、継続運用代行は対象外です。診断はあくまで意思決定材料を作る工程であり、作る工程は次のフェーズになります。
— 03
進め方の5ステップ
AI導入診断は、ヒアリング→棚卸し→候補特定→効果試算→ロードマップ化の5ステップで進みます。当社の10営業日は、対象部門と資料が事前に決まり、ヒアリング・事実確認を予定どおり実施できることを前提とします。
STEP1. 業務ヒアリング
診断側が経営層・現場担当者から、業務の流れ・工数のかかる工程・課題感を聞き取ります。当社パッケージでは90分×2回のヒアリングを設定しています。依頼側に必要な準備は、対象業務を説明できる担当者の同席と、業務資料(マニュアル・帳票類など、あるもので可)の共有です。
STEP2. 業務プロセスの棚卸し
ヒアリング内容をもとに、業務を工程単位に分解します。「営業」「経理」という部署単位ではなく、「見積書の下書き作成」「問い合わせメールの一次回答」のような工程単位まで分解することで、AIの適用可否を判定できる粒度になります。
STEP3. AI適用候補領域の特定
分解した工程を、次の5軸で評価し、候補を3〜5領域に絞り込みます。
| 評価軸 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 事業インパクト | 工数削減、売上、品質、リードタイムへの影響 |
| 実装可能性 | 現行のモデル・ツールで実現できるか |
| データ準備度 | 入力データの量、品質、権利、更新頻度 |
| リスク | 誤回答、個人情報、機密、法令、説明責任 |
| 運用定着 | 誰が確認し、例外時にどう戻し、効果を測るか |
「全部できます」ではなく数を絞り、インパクトがあり、検証可能で、失敗時の影響を管理できる領域から進めます。
STEP4. ROI試算
候補領域ごとに、削減できる工数・コスト、売上への寄与を試算します。試算は実測値ではなく、現状工数、利用率、精度、人の確認時間、導入費・運用費などの前提を置いた仮説です。単一の数字ではなく、保守・標準・上振れの複数シナリオを示し、どの変数が結果を左右するかを明記します。
STEP5. ロードマップと判断材料の整理
候補領域を優先順位付けし、3〜6ヶ月の実装ロードマップに落とします。あわせて、外部へ発注する場合のベンダー選定の判断材料(要求事項・比較観点)を整理します。ここまでが診断の範囲です。
— 04
10営業日が成立するための前提
期間はカレンダー上の保証ではなく、依頼側との協働条件を含むサービス設計です。次の条件が満たされない場合は、開始日または納期を再調整します。
- ☐診断対象の部門・業務範囲が決まっている
- ☐業務を説明できる責任者と現場担当者が参加できる
- ☐マニュアル、帳票、工数などの資料を共有できる
- ☐事実確認への回答期限を合意できる
- ☐個人情報・機密情報を共有する場合の方法が決まっている
この前提を料金ページと申込時に明示することで、「10営業日」の信頼性が上がり、プロジェクト遅延の責任範囲も明確になります。10営業日は固定価格で設計した標準納期であり、上記の前提が崩れた場合の完了を保証するものではありません。
— 05
費用は当社の場合30万円(税別・固定)
当社のAI業務適用診断パッケージは30万円(税別)・10営業日の固定価格で、記載スコープ内であれば追加費用は発生しません。以下はすべて当社料金ページの公開データにもとづく一例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 30万円(税別・固定) |
| 期間 | 10営業日 |
| 支払条件 | 着手金50%/検収後50%、請求書発行から30日以内の振込 |
| 交通費 | 京都・大阪府内の打ち合わせは込み、それ以外の地域は実費 |
| NDA | 初回相談前の締結が可能 |
| 追加費用 | 記載スコープ内は発生なし。スコープ外の作業は事前見積もりを提示してから着手 |
| 診断後の義務 | 本格開発を依頼する義務はなし。他ベンダーへ発注する場合の引き継ぎ用ドキュメントも提供 |
固定価格・期間確定にしている理由は、診断が「その後の予算とスケジュールを判断するための材料を作る工程」だからです。判断材料を作る工程自体の金額と納期が変動すると、その後の計画全体が立てられなくなります。
なお、診断が有料である一方、その前段の「何を相談すべきかの整理」「AIを使うべきかの初期判断」は30分の無料相談で対応しています。無料相談で足りる範囲と有料パッケージが必要な範囲の線引きは、料金ページで公開しています。正式な価格・申込条件はAI業務適用診断パッケージの料金ページで確認できます。
— 06
診断の出口はGo/条件付きGo/No-Go
診断結果は「AIを導入しましょう」で終わらせません。候補領域ごとに次のいずれかを明示します。
| 判定 | 意味と次の一手 |
|---|---|
| Go | 小規模PoCへ進める。成功指標・期間・担当・上限予算を定義する |
| 条件付きGo | データ整備、業務標準化、セキュリティ確認などを終えてから再判定する |
| No-Go | 現時点では費用対効果またはリスクが見合わない。AI以外の改善策を示す |
No-Goを出せることが診断の価値です。開発受注を前提に全案件をGoとする構造では、第三者的な判断材料になりません。
— 07
診断後の3つの選択肢
診断の成果物を受け取った後の進め方は、自社推進・ベンダー選定・診断元への依頼の3つです。どれを選んでも成果物は無駄になりません。
1. 自社で推進する
候補領域のうち、既存のAIツール活用や社内の運用変更で対応できるものは、ロードマップに沿って自社で進められます。
2. ベンダーを選定して発注する
診断で作成した要求事項・比較観点を使うと、複数ベンダーの提案を同じ物差しで比較できます。診断元と開発元を分ける選択は、第三者性を保つ意味でも有効です。
3. 診断元に開発を依頼する
診断の文脈を引き継いだまま、PoC・実装へ進む形です。当社の場合、PoC・プロトタイプ以降はカスタム開発(個別見積もり)として対応します。診断後にPoCへ進む具体的な進め方は企業PoCの高速開発を参照してください。
いずれの場合も、診断段階で作ったROI試算が、導入後の効果測定の基準値になります。「導入したが効果が分からない」という状態は、比較する基準値を導入前に作らなかったことが原因であるケースが目立ちます。
— 08
診断が向く企業・向かない企業
AI導入診断は万能ではありません。向き不向きを先に確認すると、費用の無駄を防げます。
診断が向く状況
- 社内でAI活用の方針は出ているが、対象業務を決められていない
- PoCやツール導入を試したが、業務に定着しなかった経験がある
- 稟議・予算確保のために、効果見込みを数字で示す資料が必要
- ベンダー選定の前に、要求事項を自社の言葉で整理したい
診断より先に進める状況
- 対象業務と要件がすでに固まっている(診断を飛ばして開発の見積もりへ)
- まだ「AIで何ができるか」の情報収集段階(無料相談や公開情報での学習が先)
- 特定ツールの導入自体が目的で、効果検証を求めない(診断の成果物が活きない)
よくあるご質問
10営業日の間、社内の負担はどれくらいですか?
当社パッケージの場合、必須の拘束時間はヒアリング90分×2回です。加えて、業務資料の共有と、レポート内容の事実確認をお願いします。業務プロセスの分解・候補特定・ROI試算・ロードマップ作成は診断側の作業のため、社内に専任担当を置く必要はありません。
診断だけ受けて、開発は別の会社に頼んでも問題ありませんか?
問題ありません。当社の場合、診断後に本格開発を依頼する義務はなく、他ベンダーへ発注する場合の引き継ぎ用ドキュメントも提供しています。診断の成果物(要求事項・比較観点)はベンダー選定の判断材料として設計されており、相見積もりの精度を上げる用途で使えます。
ROI試算はどこまで信頼できますか?
診断時点のROI試算は、ヒアリングで得た工数・コスト情報にもとづく仮説値であり、実測値ではありません。信頼できるのは数字そのものよりも「何を根拠に、どの変数で効果が変わるか」が明文化されている点です。導入後に同じ変数で実測すれば、仮説との差分から次の判断ができます。試算の前提が書かれていない診断レポートは、事後評価に使えないため注意が必要です。
この記事の著者

飯田 友広
代表取締役
Netsujo株式会社 代表取締役。京都発のWeb3・AI実装スタートアップを2023年6月に創業。京都府ワーキンググループ「Chain UP KYOTO」参画(2026-03-10)、京都美術工芸大学での講義・龍谷大学でのセミナー実績、ITコミュニティ「みやこでIT」(connpassメンバー609名・イベント162回以上・2019年2月から運営)運営。NPO法人NEMTUS理事、BAR KRYPTO運営。ソーシャル企業認証「S認証」認証企業(2026年2月認証・2026年4月公表)。技術領域はWeb3/ブロックチェーン/DID/NFT/生成AI/コミュニティ運営。
プロフィールを見るこの記事が向いている方
社内でAI活用の号令は出たが、どの業務から始めるかを決められない経営企画・DX推進担当者
AI導入の予算を稟議にかける前に、判断材料の作り方と費用感を知りたい事業責任者
ベンダー選定の前に、自社の適用領域を第三者視点で整理したい情報システム担当者
— 壁打ち相談
読者のよくある相談
記事を読んだ後に「自分の状況だとどう判断すべきか」を整理するための壁打ち相談を受け付けています。下記のような相談例が当てはまる方は、お気軽にご連絡ください。
Q. うちの場合、どの業務からAIを入れるべきですか?
業務を工程単位まで分解し、事業インパクト・実装可能性・データ準備度・リスク・運用定着の5軸で候補を絞り込みます。
Q. 稟議に出せる効果見込みの数字はどう作ればよいですか?
ROI試算の前提の置き方と、保守・標準・上振れの複数シナリオの示し方を一緒に整理します。
Q. 診断だけ受けて開発は別会社に頼めますか?
引き継ぎ用ドキュメントを前提に、診断と開発を分ける進め方の判断材料をお渡しします。
上記いずれかが該当する場合、初回30分の壁打ち相談で論点整理に対応します。記事に書ききれない個別事情を踏まえた判断材料が必要な段階こそ、壁打ちが活きやすいフェーズです。
AI社会実装支援|Netsujo
どの業務から始めるかの判断材料を、10営業日で揃える
業務の棚卸しからROI試算・ロードマップまで、固定価格の診断パッケージで判断材料を揃えます。まず何を相談すべきか迷う段階でも、30分の無料相談で整理できます。