公開情報によるWeb営業外部監査の方法論
この方法論は、対象企業のアクセス解析・検索コンソール・CRM・非公開リポジトリへ接続せず、公開情報だけでWeb営業構造を観測するための手順です。内部データを推測で代替しません。確認できないことは、失敗ではなく観測不能として扱います。
現行SIGNAL方法論との関係
現行のSIGNAL Lab方法論(v3.0)から、次の原則を引き継ぎます。
- ・AI回答の変動性を扱う(1回の回答で断定しない)
- ・mentionとofficial citationを分離する
- ・citation selectionとcitation absorptionを分離する
- ・atomic claim単位で正確性を判定する
- ・自動仮判定を人間が確定または棄却する
- ・未計測を0点へ変換しない
- ・llms向け案内をGoogle ranking factorとして扱わない
- ・API経由の観測と一般向け製品UIを同一視しない
一方、この調査に固有の条件は次のとおりです。条件が違うため、v3.0とは別のversionとして管理します。
- ・対象が自社サイトではなく、国内BtoB技術・専門サービス企業の公開サイトである
- ・質問セットが固定20問ではなく、企業ごとに6系統×2回を生成する
- ・3層・8領域の外部監査check registry(75項目)を新設した
- ・検索APIによる非指名検索観測を加えた
- ・企業ごとにOpportunity Trace 1本とChangeSpec 3件を作る
- ・ローカルLighthouseとaxeは実施しない(PageSpeed Insights APIのみ)
現行SIGNALのAI可視性観測の方法論はこちらのページにあります。
対象の選び方
業種ごとに20社以上の候補フレームを作り、包含条件と除外条件を適用したうえで、固定シードで対象を確定します。問題が多そうな企業を意図的に選ぶことはしません。除外が発生した場合は、同一シード順の次候補へ置き換え、除外理由を保存します。
固定シード: NETSUJO-SIGNAL-WEB-SALES-2026-08
包含条件
- 日本語の公式Webサイトが公開されている
- 法人向けの主要サービスが1つ以上確認できる
- 会社名と公式ドメインを公開情報で照合できる
- 調査時点でサイトが継続公開されている
- ログインなしで最低3ページを取得できる
除外条件
- BtoC専業、またはBtoBを切り分けられない
- サイト全体が認証・会員限定
- WAF・CAPTCHA等を回避しないと取得できない
- 同一企業グループ・同一ドメインの重複
- Netsujoの顧客・取引先
取得の規則
robots.txtを尊重し、認証・CAPTCHA・WAFを回避しません。フォームは送信せず、個人情報を入力しません。脆弱性診断やポートスキャンは行いません。
| User-Agent | NetsujoSIGNALResearch/1.0 (+https://netsujo.jp/services/signal/lab/methodology/public-web-sales-audit-v1) |
|---|---|
| 同時実行 | 1ホストあたり1 |
| リクエスト間隔 | 1.5秒以上 |
| 取得ページ数 | 1社あたり8〜12ページ |
| 上限 | redirect 5回 / レスポンス10MB / タイムアウト30秒 |
チェック定義
3層・8領域の合計75項目を観測します。各項目には「観測から断定してよい範囲」と「断定してはいけないこと」を定義し、定義に無い結論を書きません。
| 段階 | 項目数 |
|---|---|
| 存在 | 10 |
| 発見 | 9 |
| 取得 | 10 |
| 信頼 | 10 |
| 理解 | 10 |
| 行動 | 10 |
| 測定 | 8 |
| 改善 | 8 |
判定値は pass / partial / fail / not_applicable / not_observable / blocked / error の7種です。not_applicable、not_observable、blocked、error は分母へ含めず、件数を別途表示します。取得できなかったことをfailへ変換しません。
検索・生成AIの観測条件
生成AIの観測は、1社あたり6系統の質問をそれぞれ2回以上実行します。1回の回答で断定しません。
- ・カテゴリ推薦
- ・顧客課題の解決先
- ・比較・代替
- ・費用・導入条件
- ・対象企業との適合
- ・指名・最新情報
検索の観測は、1社あたり5系統以上の質問で行い、provider名、API version、地域、端末、実行日時を保存します。
- ・ブランド名
- ・主力サービス名+会社名
- ・非指名カテゴリ
- ・顧客課題
- ・比較・発注条件
観測に使うのは OpenAI Web Search(gpt-4o-mini)です。Perplexity Sonar は対応実装済みですが現時点では未有効です。いずれもAPI経由の観測であり、一般向けのChatGPT・Perplexity製品の画面上の回答と完全に同一であることは保証されません。実際に使用したprovider、モデル、実行条件、日時は、そのrunの記録から表示します。
検索結果でブランド名が出なかったことを「インデックスされていない」の根拠にしません。同様に、公開ブラウザで計測タグを観測できなかったことを「計測していない」の根拠にしません。
性能とアクセシビリティの扱い
性能は PageSpeed Insights API で、トップ・主力サービス・問い合わせの3ページを対象に取得します。mobileを必須、desktopを補助とします。
ローカルLighthouseと自動アクセシビリティ検査(axe)は実施していません。性能指標はPageSpeed Insights APIの取得値のみです。CrUXの実測データが無い対象は0ではなく観測不能として扱います。
総合スコアだけを主張の根拠にしません。
人間レビューの範囲
自動チェックとAIの補助だけで結論を確定しません。主力サービスの選定、対象顧客の再構成、主CTA、重要ページ選定、発見、AI回答、Opportunity Trace、改善仕様の465項目について、最終承認は人が行っています。
ただし、この調査回の承認は項目ごとの個別コメントを伴わない一括承認です。第二のレビューと、無作為抽出による再レビューは実施していません。各項目の承認記録には、承認者・承認日時と、一括承認であることを残しています。
改善仕様とOpportunity Traceの本文は、観測された事実をもとにAIが下書きし、人が承認したものです。成果を約束する表現と、観測していない数値(改善率・倍率)は機械検査で除いています。内部データがないと測れない指標は「公開情報で確かめられる指標」から外し、内部データ接続後に確認する項目として分けています。
AIによるレビューを人間の確認として記録することはしません。承認記録の主体は、実際に判断した人の氏名です。
この調査の限界
- ・公開情報のみを対象としており、実際の流入・商談・売上への影響は確認できません
- ・観測は指定した条件・時点のものであり、恒常的な状態を示すものではありません
- ・業種ごとの対象数が限られるため、業界全体を代表する推計にはなりません
- ・会社別の順位や総合点は作りません
- ・自動検査だけでアクセシビリティの適合・不適合は判定しません
- ・施策と成果の因果関係は示しません
公開するデータとライセンス
公開するのは、方法論、サンプル一覧(業種と件数のみ)、集計値、匿名化した代表パターン、Netsujo自社の改善仕様例、集計CSV、チェック定義、欠測・除外数です。第三者企業別の点数、企業別の改善仕様、生HTML、生DOM、AI回答の全文、非公開のスクリーンショットは公開しません。
調査対象の企業名と公式ドメインは公開しません。公開するサンプル一覧は、識別子・業種・包含判定・確認日時だけで構成します。集計値と個社を後から結び付けられる情報を公開側に置かないためです。
集計値と変数定義のライセンスはクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC-BY-4.0)です。出典表示を条件に利用できます。第三者サイトの本文、スクリーンショット、AIの生回答、企業別の監査結果は対象外です。
方法論バージョン public-web-sales-audit-v1.0/dataset v1.0。判定ロジックを変更した場合はバージョンを更新し、変更履歴を残します。